ルリは悩んでいた。

アキトのことで。

アキトと居ることで自分は自分の場所を得た。
自分はアキトの存在が必要。
アキトの存在こそがルリの必要十分条件。

でもアキトにとって自分はそうではないのではないか。

この間の『ユリカは気が付いたが自分は気が付かなかった』アキトの悩みは、そんなルリの不安を大きく煽った。
自分はアキトにとって不可欠な人間ではない。
その想いが重くのしかかる。
それでも、アキトは自分のことを『妹として』大切にしてくれている。
この『妹』という立場だけは大丈夫だと思っていた。

しかしそこにアイが現れた。
何度かアキトからも聞いたことがある、小さな女の子。
アイの出現はルリの心の最後の牙城にひびを入れた。

この女の子もアキトさんはかわいがるだろう。
『妹として』。

 なら私は何?

 私はもうアキトさんに必要ないのかも・・・・・・

ウインドウの下の方でちょろちょろするアイを見ながら、ルリはそんなことを思った。

やがてアイを抱っこしながらブリッジに来たアキトを見て、ルリは表情こそ変わらなかったが喪失感を覚えた。
仕事は確実にこなすルリ。
しかしルリにとって世界が色あせた。

だから。

アキトが倒れるのをルリは現実感無く見た。
まるでTV画面の中での出来事のように。
しかし周りの騒ぎの中次第に現実感が戻っていき・・・・・・
その後の自分の行動をルリは自分でよく覚えていなかった。


機動戦艦ナデシコ2次SS

ダンシング・イン・ザ・ダーク

 

第18話  「養 父」



カメラがパンするように。
赤い火星の大地からナデシコは地球の青い海の上に跳躍した。
作戦は全て成功。
ナデシコに与えられた条件からすれば大成功と言って間違いない。
遺跡の奪取、生き残りの人たちの救出。
単艦でこの2つを達成したことは奇跡である。

奇跡・・・・・・

実際、古代火星文明の残した遺跡という奇跡が無ければ確実に失敗していただろう。
しかし、奇跡を乱発した男はその報いのためサセボの海を見た途端に昏倒した。

「アキト!」

「お兄ちゃん!」

アイとふらついたユリカが真っ先に駆け寄り。
しばしの後。

「アキトさん!」

ルリが取り乱してすがりついた。

「アキトさんアキトさんアキトさん!」

そのあまりの剣幕にユリカやアイまでが1歩下がり。
アキトを担架で運ぶ際にルリを引き離すのに苦労したという。

アキトの昏倒の原因はボソンジャンプ多用による極度の神経疲労であった。
イメージ伝達のための精神集中はかなり疲労する。
まして巨大な戦艦をジャンプさせるのには高度なイメージが必要だった。
それを短時間で何度も繰り返したために疲労の限界に達したのだ。
サセボドッグに入港後ネルガル研究所の医者の説明を聞いてユリカは愕然とした。

「それじゃユリカの所為なんだ・・・・・・」

ユリカ自身も疲労のために今は病室のベッドに横たわっていた。
だから自分がアキトにどれくらいの無理をさせたのか良く解った。

「ごめんね、アキト・・・・・・ごめんね・・・・・・」

 

 

 

ルリはアキトにしがみつくように寄り添っていた。
この丸1日、誰の言葉も聞こえず、ただアキトに寄り添っていたルリ。
アキトよりルリの方が他のクルーには心配になってきた。
そして。

「ん・・・・・・」

アキトが漸くうごめいた。

「アキトさん?」

問いかけるルリ。

「・・・・・・あ・・・・・・」

その声に反応し、漸くゆっくりと目を開けるアキト。

「ルリちゃん?」

「アキトさん!」

そう言ってルリはアキトに抱きつき、そのまま寝入ってしまった。
やがて看護婦が来て、アキトは事情を知った。
自分が倒れたこと。
ユリカも極度の疲労のため1日入院していること。
そして、自分が倒れたときから一時も離れずルリが自分に着いていたこと。

「だめよ、妹さんにこんなに心配かけちゃ。」

そう言いながら点滴を替え終わり、ルリを別室に運ぼうとする看護婦に、アキトは言った。

「あ、ここに寝かせてください。
オレを心配してくれて倒れちゃったんだから、今度はオレが見てやらないと。」

そう言って指さしたのは自分のベッド。
看護婦も笑って、

「そうね。
じゃ、お願いね、お兄さん♪」

そう言ってルリをアキトの布団に入れ部屋を出ていった。

アキトはルリの髪を手で撫でながらいう。

「ごめんな。心配ばかりかけて。」

ルリは安堵の表情で寝息を立てていた。
それを見ながら、アキトもいつの間にか眠りに落ちた。



再び目が覚めたアキトは、安らかに眠るルリの寝顔をまず見た。
そして人の気配にふと目をやると。
今度は自分を見つめながら涙を流すユリカを見た。

「ユリカ?」

「ごめんね、アキト・・・・・・」

そう言いながら泣くユリカ。

「お前はもう大丈夫なのか?
悪かったな、無理させて。」

アキトは微笑んでいった。

「・・・・・・ごめんね、アキト。
もの凄く無理させて・・・・・・」

ユリカはただ泣くばかりであった。
そんなユリカを見つめながらアキトは言った。

「・・・・・・ごめん。
お前の所為じゃないんだ、ユリカ。
実はオレ、こうなるの知ってたんだ。」

「え?」

「ネルガルの実験の中で、いろんな条件でボソンジャンプしたから。
それに夢の記憶もあるし。
だからあれだけジャンプしたらこうなるのは解ってたんだ。
・・・・・・それでも、お前の作戦は無理をするだけの価値があったんだ。
だからオレ黙ってて・・・・・・
だからあやまんなきゃなんないのはオレの方なんだ。
ごめん、ユリカ。
お前にまで無理をさせて。」

そのアキトの告白にユリカはしばし押し黙り。
何かを考え込み・・・・・・
そして言った。

「うん♪
なら、おあいこだね♪アキト♪」

そうやって、後は他愛のないおしゃべりが続いた。
その間にミナトに連れられたアイがお見舞いにやってきた。
アイは昨日ミナトに引き取られ、一緒に寝たのだという。

「ミナトお姉ちゃんの部屋、凄いんだよ!
こーんな大きな、柱みたいなお人形さんが有って!」

「トーテム・ポールよ、アイちゃん。」

嬉しそうに、興奮しながら身振り手振りを交えて話すアイ。
アイの言葉を優しげな微笑みと共に補足するミナト。

「あ〜!
このお姉ちゃん、まだお兄ちゃんにくっついてる!
ずるい!」

そう言ってアイが指さしたのはアキトと同じ布団で寝ているルリだった。
実はルリは目が覚めていた。
ユリカがアキトと話している最中に。
しかし深刻な話の最中に邪魔をしたくなかったことと、自分の置かれている状況(アキトと同じ布団)にパニックを起こしていたのとで、寝たふりをしていたのだった。
しかし一度寝たふりを始めると起きるタイミングが難しい。
その内アイ達がやってきて、起きるに起きれなくなっていたルリであった。
よく見ると頬がうっすらと赤くなっているのだが、幸いそのことには誰も気が付いていないようだ。

「このお姉ちゃん、お兄ちゃんの何?恋人?」

意味が解って言ってるのか、いっぱしの女のようなことを言うアイ。
アキトは苦笑して応えた。

「このお姉ちゃんはね、お兄ちゃんの大切な家族なんだ。
とっても大切な、ね。」

そう言ってルリの髪を撫でる。

「お兄ちゃんの事をずっと寝ないで看病してくれて、それで倒れちゃったんだ。
だから、今度はお兄ちゃんがかわりに見てあげてるんだよ。」

「ふうん・・・・・・」

アキトの言葉にアイは納得したようだ。
しかしユリカが収まらない。

「う〜〜〜!
いつもルリちゃんばっかり、ずるい!」

「まあまあ、艦長・・・・・・」

苦笑しつつユリカをなだめるミナト。
そこに。

「おう!テンカワ!」
「アキト!元気か?」
「アキト君、大丈夫?」

ドヤドヤとパイロット3人娘+ガイがやってきた。

「南堂前・・・・・・みなみどうまえ・・・・・・みんなみどえまい・・・・・
みんなでお見舞い・・・・・・プッ、くくくくく・・・・・・」

イズミのお陰ですっかりユリカも冷静になってしまった。

「南堂前って何処だよ?」

「さあ?どっかにあるんだよ、きっと。」

冷たくツッコミを入れるリョーコに、にこやかに答えるヒカル。

「お姉ちゃん、おもしろーい♪」

アイだけはイズミギャグがお気に召したようだ。

その間、ルリは寝たふりを続けながら、つい、

「馬鹿?」

とツッコミを入れたくなる衝動を必死で耐えていた。



皆が帰った後、アキトはルリに話しかける。

「ルリちゃん、もうみんな帰ったよ?」

ルリは頬を染めながら、ゆっくりと起きあがった。

「・・・・・・何時から気が付いてたんですか?」

聞いてくるルリにアキトは、

「うーん・・・・・・
アイちゃん達が来た辺りかな?
ルリちゃんほっぺが赤くなってたし。」

そう言いながら笑うアキト。

「ルリちゃん、起きづらくなったんだろ?」

「・・・・・・知りません!」

アキトのからかいに、赤くなってルリはそっぽを向いた。
その仕草が可愛くて、アキトはルリを優しく見つめた。
何となくばつが悪くなったルリは、

「あ、私もう帰ります。」

そう言ってベッドから降りた。
そのルリをアキトが呼び止める。

「あ、そうだ、ルリちゃん。
お願いがあるんだけど。」

それに対し振り向かずに、

「なんですか?」

と答えるルリ。

「あのさ、アイちゃんのお姉ちゃんになってくれないかな?
オレまだ2,3日は退院出来ないみたいだし、ルリちゃんにしか頼めないんだ。」

言ってからアキトは首をひねり、言い直す。

「いや、ルリちゃんに頼みたいんだな、オレ。
なんか、ルリちゃんしか浮かばないんだ、こういう面倒な事を頼める人って。
駄目かな?」

その言葉が何故か、ルリには嬉しかった。
何で嬉しかったのかは、ルリにはまだ解らないが。
だから。

「いいですよ、それぐらい。」

ルリは簡単に引き受けた。



ルリはまずブリッジに行き、ユリカとプロスペクターに昨日からのことを謝罪した。
プロスペクターは何も言わなかったが、ユリカは、

「・・・・・・やっぱりルリちゃん、ずるい・・・・・・」

恨みがましい表情でそう言った。

昨日からの残務整理は、誰かがほとんどやってくれたようだ。

「ジュン君とプロスさんが手分けしてやってくれたのよ。」

ミナトがこっそりルリに教える。
振り返るとジュンと目が合ったが、彼は照れくさそうにすぐに目をそらした。

「ありがとうございました、ジュンさん。」

ルリが礼を言うと、

「あ、いや、その、副長として当然のことをしただけだよ。ははは・・・・・・」

ジュンはそう言って照れくさそうに髪を掻いた。

「でもルリルリ、狸寝入りでアキト君と一緒の布団だなんて、やるわね♪」

ミナトのその言葉にルリは赤面した。

「気が付いてたんですか?ミナトさん!」

「もちろんよ。
だってなんか不自然だったし。」

そう言って笑うミナト。

「あ、そういえばアイという子は今どこにいます?
アキトさんにお世話を頼まれたんです。」

話を逸らそうというルリの意図にミナトは気が付いたが、乗ってあげることにした。

「アイちゃんなら今ホウメイさんのトコよ。
うーん、・・・・・・確かにルリルリがお姉さんになるのも良いわねぇ。
それじゃ、もう少しで時間だから、一緒に行こうか。」

「はい。」

食堂に行くと、アイが人参や大根と格闘していた。

「うう〜・・・・・・」

安全な皮むき機で皮をむいているのだが、家事など手伝ったことのないアイには非道く難しそうだった。
それでも、今まで母親にはやらせて貰えなかった事をやらせて貰っている充実感があるのか、結構楽しそうにやっているようだ。

「おや。おつかれさん。」

アイの指導をしていたホウメイが、ミナトとルリに気が付いた。

「アイちゃんにお手伝いして貰ってるんですか?」

ミナトが尋ねると、

「あっはっはっは!
いや、この子も暇そうだったし、あたしは料理しか知らないからねぇ。」

そう言って呵々と笑うホウメイ。
アイも二人に気が付き、

「あ、ミナトお姉ちゃんと引っ付き虫のお姉ちゃん!」

そう言った。

「・・・・・・何ですか?その引っ付き虫って。」

ルリが不満そうな顔で聞く。
ミナトとホウメイは笑っていた。

「だってお姉ちゃん、ずうっとお兄ちゃんにくっついてずるいんだもん。
だから引っ付き虫!」

「いや、あれは・・・・・・」

自身子供ではあるが子供らしい経験のないルリは、アイの天真爛漫さに辟易した。

 そう言えば艦長もこんな感じですね・・・・・

思い起こして納得もする。
そういえばアイとユリカは、初対面から意気投合?していたような・・・・・・・

戸惑っているルリにミナトが助け船を出す。

「アイちゃん、引っ付き虫は非道いんじゃない?
ルリルリもちゃんと自己紹介しなさい。
まだでしょ?」

その言葉に、

「あ、はい。
私はホシノ・ルリ。
ルリって呼んで下さい。
宜しくお願いしますね。」

ルリはアイに対し丁寧に自己紹介した。
アイもまじまじとルリの顔を見た。

「ふーん。
それじゃルリお姉ちゃんだね。
あたしはアイ。
よろしくね、ルリお姉ちゃん!」

子供同士というのは大人と子供よりも打ち解けるのが早い。
ルリはともかく、アイの方はそうであった。
自己紹介の翌日には、ルリの後をちょこちょこ着いて歩くアイの姿が、微笑ましいナデシコの風物詩となった。

「駄目ですよ、アイ。
そっちは入っては駄目です。」

「はーい。」

アキトのお願いもあったのだが、ルリも結構良くアイの面倒を見ていた。
そしてアイの面倒を見ることで、ルリの表情が和らいでいった。
そのことに、退院してきたアキトは驚きと喜びを感じた。

「お帰りなさい、アキトさん。」

「お帰り、お兄ちゃん!」

二人仲良く出迎えてくれたのを見て、アキトは幸せを感じた。
それはつかの間の幸せではあるにせよ、いつか確かな物にしたいとアキトは思った。

 

 

 

アイの処遇についてはプロスペクターに一任することとなった。
なにぶん小学1年生。
ルリと違って教育も必要であるし、なにより危険な戦艦に乗せておく訳にはいかない。
養育のための諸手続はプロスペクターの仕事であるが、しかしアイに母親の死を伝えるのはアキトの役目であった。

アキトは悩んだ。
この幼い子に、どう母親の死を伝えればよいのか。
しかし悩んだところで答えは出ない。
せめて、泣くアイを抱きしめるくらいしか。
覚悟を決めたアキトはアイとルリを呼び、そして話した。

「・・・・・・」

無言のままぽろぽろと涙を流すアイ。
どうしようもない悲しみをもてあましている。
アイにとって死という抽象的な現実は解らない。
でも、大好きなお母さんにもう会えない。
そのことがとにかく悲しい。

「アイちゃん・・・・・・」

アキトはアイを抱きしめる。
自分も泣きながら。
ただ一人泣いていないルリも、アイの頭をなで続ける。
アイが泣き疲れて眠るまで、繰り返し・・・・・・



ふさぎ込んだアイを慰めるべく、アキトとルリはアイを連れてサセボの町を歩いた。
デパートで買い物をし、公園で鳩と戯れ。
しかしアイは力無く笑うだけであった。
以前のような輝く笑顔とのギャップが痛々しい。

「アイちゃん、お腹空いたね?」

「うん・・・・・・」

「それじゃ、お兄ちゃんとルリお姉ちゃんのとっておきの場所に連れて行ってあげる。」

そう言って3人が向かったのは雪谷食堂だった。
相変わらずボロ屋の店舗。
ちょうどお昼のラッシュが終わったらしく、店はすいているようだ。

「おやっさん!お久しぶりです!」

暖簾をくぐるなりそういうアキト。
ちょうど洗い物をしていたサイゾウは怪訝そうな顔で入り口を見、そして目を丸くした。

「アキト!アキトじゃねーか!」

そう言って飛び出してくる。

「こんにちは、お久しぶりです。」

アキトの背中から顔を出してルリも挨拶する。

「おお!ルリ坊!
元気そうで何よりだ!」

嬉しそうにルリの頭をなでるサイゾウ。
さらに。

「・・・・・・こんにちは。」

そのルリの後ろからちょこんと顔を出すアイ。
そのアイの顔を見た途端、サイゾウの顔色が変わる。

「アキト、おめえ・・・・・・」

「はい?」

「とうとうルリ帽に手ぇ出したんだな・・・・・・
しかもこんな大きな子産ませて・・・・・・
ああ、俺の弟子もとうとう犯罪者になっちまったか・・・・・・」

そう嘆くサイゾウに、アキトとルリはしばし硬直、やがて耳まで真っ赤になり、

「「違います!!!」」

声を揃えて否定した。
その様子を目をぱちくりさせて見ていたアイだが、

「・・・・・・きゃははははっ」

おかしそうに、そして久々に心から笑った。

「ま、冗談はさておき、だ。
腹減ったろ?何にする?」

そう言って厨房に戻っていくサイゾウ。

 この親父・・・・・・

アキトはぐっと震える拳を握ったが、

「オレはしょうゆラーメンとチャーハンのセット。」

「私も同じ物を。」

「アイも!」

「あいよ!
って、おら!
アキト手伝え!」

「はい!」

アキトも嬉しそうに厨房に行った。
残されたルリとアイ。
ルリがアイに説明する。

「ここはアキトさんがナデシコに乗るまで働いていたお店なんですよ。
アキトさんにとっての家みたいな物なんです。」

「ふーん、そうなんだぁ。」

「私もここが大好きなんです。
アイもきっと好きになりますよ。」

「アイ、もうこのお店大好き♪
おじちゃん面白いし。」

などと話してると、

「はい、おまちどうさま。」

アキトが料理を運んできた。

「うわー♪おいしそう♪」

先ほどから匂いで涎の出そうだったアイは早速、

「いっただきまーす♪」

そう言って割り箸を割り・・・・・・
・・・・・・失敗した。
涙目になるアイにルリは新しい割り箸を持たせ、

「こうやって先っぽの方を持って、ゆっくり開いていくと綺麗に割れるんですよ。」

そう言いながら実演した。

アイもそれを見ながらやってみる。

「あ!綺麗に割れた!
ありがとう、ルリお姉ちゃん!」

にこにこと嬉しそうだ。

「それでは、頂きます。」

「いただきまーす。」

そして漸く食べ始める。

「おいしい!」

アイは子供用に小さい器のセットだ。
ルリは大人用。
しかしそんなことも気にならないくらい、二人とも夢中で食べる。
アキトと、そしてサイゾウも一緒に食べた。

「そんなにおいしそうに食べて貰うと、こっちもうれしいなぁ、おい。」

サイゾウが言うと、

「だって本当においしいモン♪」

アイは元気に答えた。

「ところでアキト。
実は昨日プロスの旦那が来てな。」

全員が食べ終わったのを見計らって、サイゾウがおもむろに切り出した。

「プロスさんが?」

「おう。
で、嬢ちゃん・・・・・・アイちゃん。
コイツらが帰ってくるまでおいちゃんとここでくらさねぇか?」

「「「え!!」」」

突然の提案にビックリする3人。

「ここはお前の家だろ?アキト。」

真剣な表情で言うサイゾウ。

「ウッス」

アキトも真剣な表情で頷く。

「ルリ坊はどうだ?
オレは、ルリ坊にとってもここは家だと思ってるんだが・・・・・・」

聞かれてルリは嬉しそうに、

「はい、そうです!」

と答える。

「アイちゃん。
アイちゃんはコイツらの帰りを待つんだよな?」

「うん。」

「なら、コイツらの帰ってくるコイツらの家で、おいちゃんと一緒に待とうや。」

「うん!」

アイも嬉しそうに頷いた。

 

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<あとがき>

うう、時間はないわ怪我するわで・・・・・・・泣いています。

ところで気が付いた方も多いと思いますが、ルリとアイの割り箸のエピソードは「あずまんが大王」(あずまきよひこ著、全4巻完結、メディアワークス発行)の第4巻127ページのエピソードのパクリです(平伏)

なんかルリがお姉さんのエピソードで、これしか浮かばなかったんで・・・・・ごめんなさい。

うーん、パクリが多いな、私・・・・・・(そもそもDDのモトネタからして貰い物だし)



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