2195年5月、地球。

真っ暗な天蓋を見つめながら、アキトは草の上に大の字になっていた。

「ここは・・・どこだ?」
視界と頭が混乱している。
耳の様子もおかしい。
手足は動くようだが、起き上がる気になれない。

体中が倦怠感に包まれ、アキトは身体機能が回復するまでじっとしていた。

徐々に視覚が暗闇に慣れてくると、黒い天井に星々の瞬きが見え始める。
同時に音が甦り、頬を嬲る風に、草が掠れて微かな声を上げる。

しばらく夜空を見上げていると、次第に頭がはっきりしてくる。
(ここは・・・地球?)
大気調整用ナノマシン特有の虹彩はない。
イネスの言葉が甦る。
「すると、サセボなのか?」
声に出して言うと、自分の声が現実に引き戻す。

「!!」
跳ね起きる。
体中に痛みを感じ、視界がちかちかする。
(さっきまで火星にいたのに・・・)
そこまで考えて、はっとする。
「火星!」
シェルターは一体どうなったのか。
あそこにいた人たちは、火星の植民者たちは。
取り敢えず、情報を何とかして集めなければならない。
きょろきょろと辺りを見回しても、あるのは風にそよぐ真黒な木立と、遊戯器具だけ。
「公園・・・なのか。そうか・・・」
イネスの言葉が何を意味し、何を起こすためのものだったのか、それはわからないが、とにかく彼女の言う通りアキトの身を守り地球へと送ってくれたようだ。
そこはフィルム通りの光景だったのだから。

未だに混乱する意識を辛うじて現実に向けさせると、アキトは空がぼんやりとライトで照らされている方角へと、のろのろと歩を進めていった。










「回鍋肉定食あがったよ!」
「はいよ!・・・お待たせいたしました!回鍋肉定食です」
「ラーメン餃子出るよ!」
「はい!」

日本・サセボシティ。
商店街の一画にある雪谷食堂に、威勢のいい声が響く。
ちょうど昼時ということもあって、狭い店内は会社員などでごった返している。
さしてきれいな店でもないのだが、並んでいる客がいるところを見ると、腕はいいらしい。

アキトはこの雪谷食堂で住み込みの見習をやっていた。
少しでも自信のあるものはオムライスやピラフなどの洋食なのだが、雇ってくれる店がなかったのだ。
彼の右手に見えるIFSが原因であったのだが、アキト自身はそのことに気がついていなかった。


IFS(イメージ・フィードバック・システム)は、本来戦闘機パイロットや戦艦のオペレーターが着けるものだ。
搭乗者のイメージ通りに機体を操縦するため、体内にナノマシンを埋め込んで、専用の端末に触れることで機体を制御するコンピューターにイメージを伝える。
ただ、安全が保証されてるとは言え、やはり体内へ異物を注入することへの抵抗感は強く、連合軍でも本当に必要のある者しか着けていない。
しかも、一度ナノマシン処理をしたらそれらは脳や神経細胞レベルで体内に固着するため、除去は難しい。
だから、正規の軍人でも着けている者は少ない。
士官レベルでは皆無である。
なぜなら、それらナノマシンは補助脳を形成して記憶をデータ化して蓄積していくため、機密を知る立場にある人間が着けることはご法度なのだ。
万一、敵に囚われた場合、多少手荒な方法ではあるが、強引に補助脳へのハッキングを仕掛けてその人間が知る大半の情報を引き出される恐れがある。
そういった事情を地球の人間はよく知っているため、IFSを着けているアキトを見て採用するのに躊躇したのは当然のことである。
喰うに困ったチンピラが、職目当てで着けたと思われたのであろう。

が、この雪谷食堂の店主、サイゾウはアキトの右手を見ても黙って、厨房でテストをした。
黙って料理するところを見、アキトの作ったピラフを口にもしなかったが、何故か翌日の買出しの指示を与え部屋へ案内してくれた。
何だかわからないままに、取り敢えず職に就けたことと宿が見つかったことに感謝したアキトだったが、翌日の買出しの後、サイゾウは正式に採用を告げた。

「おめえの料理はまあ、正直言って料理なんて代物じゃねえ」
それでも専門学校で勉強したアキトはがっかりしたが、
「だがまあ、食材を見る目はあるみたいだからな。精々頑張んな」
農業プラントで働いていたことが、少しは有利になったらしい。
その日からアキトは食材について益々勉強し、暇を見てはサイゾウの料理を盗み見しては試行錯誤を繰り返すという日々が続いた。

同時に第1次火星大戦の結果と火星植民者たちの情報を集め、イネスを探しに行くことを決意した。
アキトが集めた情報には、火星入植者全滅のニュースもあったが、アキトを無事に逃がすことのできたイネスが、自分の身を守れないなんてことはあり得ないと思ったからだ。
単なる希望的観測、主観的な確信かも知れないが、あのイネスがそうそう簡単に死ぬはずがない。
けれど、やはり弱気になって、独り涙を耐える夜もある。
そんな時はこれまであの白い空間に行っていたものだったが、イネスと暮らすようになってからはほとんど行っていない。
地球で辛い夜などに、行こうと試みたこともあったが、何故か行けなくなっていた。
イネスからは、決して人に話してはいけないと強く止められている。
そのことを相談する相手もいないまま、イネスの身を案じながら、火星へ行く日を切望するアキトだった。





アキトが地球に来てから半年経った、2195年11月。
半年間皿洗いや掃除だけを黙々とこなし、ようやく厨房に立たせてもらえるようになったアキトの所へ怪しい2人連れが訪れたのは、いつものように昼食時の戦争状態が終わって、サイゾウと遅い昼食をとっている時だった。

「テンカワ・アキトさんですね」
いかにもサラリーマン風に見せているが、常人ではない雰囲気を纏った男が言う。
「おい、あんたら、表の札見なかったのか。今は準備中だぜ」
サイゾウが静かに怒気を含んで言うが、男たちはあくまでも丁重な態度を崩さなかった。
「失礼しました。こちらの店主の方でいらっしゃいますか。私共はこういうものです」
差し出した名刺を受け取る2人。

『アスカ・コーポレーション
日本本社会長室内務課』

「で、そのアスカの社員が、うちのアキトに何のようだ?」
アスカ・コーポレーションはネルガルに次ぐ第2の巨大企業だ。
新進企業のネルガルが未だカンパニー制で重工部門を社内でサポートしているのに比して、アスカは伝統企業であり、その企業形態も持株会社制である。
アスカ・コーポレーションはその親会社だ。
鎬を削っているのはインダストリーで、重工部門を担うグループ企業である。
クリムゾングループと共に、ネルガルの追い落としに奮戦する企業がアキトに用事があるとは、これほど意外なことはない。

「我々はテンカワさんをスカウトに参りました」
背後に控えている大男の方はさっきから一言も発しない。
土間口に立った痩身の男が交渉役らしい。
「俺、ただのコック見習いっス」
アキトはさり気なく右手のIFSを隠しながら警戒する。
まだ料理と呼べるものを作らせてもらえない上、自分をコックだなどと自惚れるなとサイゾウから念を押されている。
こんなところでも律儀にそれを守った。
しかし、男はそれを意に介さず、
「存じております。あなたが火星出身であることも、ユートピアコロニー唯一の生存者であることも」
「?!」
色をなすアキトとサイゾウ。
そのことは2人しか知らない筈である。

「不審に思われるのはもっともです。ですが、我々はどうしてもあなたスカウトしなければならないのです」
「・・・・・・」
「あなたには今戸籍も存在しません。このままでは後々困ることにもなるのではないですか?それに」
猜疑心を露にして黙り込んでいる2人に構うことなく、男は続ける。
「我々はあなたを火星にお連れする用意があります」

この言葉に反応したのはアキトだった。
「何っ!?火星に行けるんスかっ??!!」
いきなり大声を上げるアキトに、サイゾウが驚く。
「おい、アキト、落ち着け・・・」
「いつっ?!いつ行けるんですかっ?!」
今にも男に掴みかかりそうになるアキトを、サイゾウが辛うじて抑える。
「バカ野郎っ!ちっとは落ち着け!」
男は余裕の表情を見せる。
『火星』を持ち出せばアキトが乗ってくることは調査済みのようだった。
「詳しいことに関しては、できればテンカワさんお独りにご説明したいのですが・・・」
その言葉にはっとなって、アキトは後ろから羽交い絞めにしているサイゾウを見る。
アキトの全身から力が抜け、サイゾウは手を離すと、黙ってアキトを見返す。


「どうでしょう、テンカワさん」
しばらくの沈黙の後、男がアキトに呼びかける。
黙ってサイゾウを見ていたアキトは、男を振り返ると、完全に冷静さを取り戻したのか、きっぱりと言う。
「サイゾウさんは俺の師匠っス。どこの馬の骨とも知れない俺を何も言わずに雇ってくれた恩人っス。その人に内緒の話なら、聞けません」
「・・・そうですか」
そう言うと、男はサイゾウに目を移す。
確認するような視線にサイゾウは、
「まあ、アキトがそう言うならしょうがねえんじゃねーか?あんちゃん。俺なら大丈夫だぜ。きれいさっぱり忘れてやるよ」
「・・・わかりました。では・・・」



「いかがでしょうか」
男は居間で話を終えた。
そのままアキトの返事を待つ。
アキトは少なからず衝撃を受けて考え込んでいた。





男はアスカの諜報部のリーダーでヒラヤマと名乗った。
昨年、ある女性からコンタクトを受け、俄かには信じられない依頼をされた。
その女性は彼がネルガルに実家のIC工場を潰され、両親を自殺に追い込んだ恨みからアスカの諜報部に所属していたことも知っており、そのネルガルを出し抜ける策があると言う。
不審に思ったヒラヤマだったが、事がネルガル追い落としに絡むとなれば放置できず、約束の日時に指定された場所へ赴いた。
その場で、彼女は途方もない話を始めた。

火星はいつか異星人の侵略を受けること。
彼らは古代火星人の遺跡を狙っていること。
そこにはオーバーテクノロジーが眠っていること。
ネルガルは既にその存在を知り、発掘と研究を進めていること。
これには地球政府と連合軍も絡んでいること。
これらを独占できれば、地球圏の経済は完全に掌握できること。

ヒラヤマには全く信じられない荒唐無稽の話に思われたが、
『信じられないのも当然ね。では、証拠の一部を見せてあげるわ』
彼女が取り出した資料は、ネルガルにも隠して解明された、一部の技術情報だった。
『これは・・・』
うめくヒラヤマに、その女性は事もなげに言い放つ。
『ある科学者が極秘に解明に成功したものよ。ただ、ここにあるものは彼らを暗殺したネルガルが既に抑えている技術だけどね』
『では、ネルガルは・・・』
『そうね。私もその資料で特に重要なものしか持ち出せなかったの。だから、ごく簡単なものではあるけれど、ここにある資料以上の情報をもっているでしょうね』
その答えに、ヒラヤマは彼女の持つ、本当に重要な情報を聞き出そうとしたが、止めた。
ここは強引に事を進めるべきではない。
アスカに好意的とは限らないが、少なくともネルガルにその情報を売り渡すような人物ではない。
今はこのパイプを維持することだ。

『あなたの言っている事は信じざるを得ないようだ。で、あなたの条件は?』
幾分警戒しながら問うヒラヤマは、彼女の条件を聞いて唖然とした。
『いつか来るかも知れない青年を保護し、火星へ連れてきて欲しいの』
『え?いつか来るかも・・・ということは来ないかも知れないと・・・』
『そうね。いつかわからない。来ないかも知れない。その青年がもし来たら、彼を保護し、彼の望みを全て叶えてあげて欲しい。多分、彼は火星へ行くことを唯一の望みとするでしょうけど』
呆然としたままのヒラヤマを気にせずに話す。
『それは次に私からコンタクトを取るまで有効な契約、というところでどうかしら』



結局、ヒラヤマは最低限の情報を貰って、その取引を承認したのだった。





「その女性って・・・」
アキトが恐る恐る尋ねる。
「ええ。あなたの想像通りです。イネス・フレサンジュ。そう名乗っていました」
アキトはわからなくなった。
(姉さんはこのことを去年から知っていた?)
(ある科学者・・・父さんたちのことか?でも、そんなこと俺は少しも・・・)

「だが、どうしてアキトの奴が地球に来たことを知ったんだ?」
黙ったままのアキトに代わって、サイゾウが尋ねる。
信じられない話を聞いて衝撃を受けているのは、あの時のヒラヤマ以上だ。
「その時から私は諜報部の全力を持ってテンカワさんの捜索に当ったのです。それはもう、大変でしたが、日本中のシステム、それこそ小売店のPOSシステムにまで手を伸ばして、テンカワさんの存在をキャッチしようとしました」
初めて、笑顔を見せるヒラヤマ。
その顔を見て、サイゾウは、
(ふん、いい顔してやがるじゃねーか。ちったあ信用できる奴かもな・・・)
口には出さずに考える。
「そうしましたら、サセボのデータライブラリーで執拗に火星の事を調べている人が引っかかりまして。調べてみたら定食屋のご主人とのこと。失礼ですが、あなたが火星にそれほど興味を持つことなど考えられない、彼女の話からしてテンカワさんは突然やってきて戸籍も何もない筈、この違和感はもしかして、とこういう訳です」
「ふーん、よくそんな話でそこまでやったな。幾らあんたがリーダーだって部下を動かすのに・・・」
「我々は課長の指示には絶対に従います」
初めて大男の方が口を開く。
どうやら、ヒラヤマは部下からの信任も厚いらしい。
見たところ、30歳前半に見えるが、大したものだ。
そんな感想を持っていると、アキトが決心したように面を上げた。

「わかりました。サイゾウさん、俺、行きます」
サイゾウは黙って頷く。
アキトはヒラヤマに向き直ると、
「ただ、条件があるんです。いいですか?」
ヒラヤマは安心したのか、笑顔で答える。
「もちろんですよ。我々はあなたの希望は全て叶えるという条件で契約しておりますから」
「俺がアスカの諜報部に入るということは、ヒラヤマさんの部下になるってことですよね」
「そうなりますね」
「では、契約の件は忘れて、俺に敬語使わないで下さい」
唖然とするヒラヤマ。
大男の方も驚いた表情でアキトを眺めている。
「ふっ・・・わあっはっはっはっ、こいつはこういう奴だからよ、今から驚いてたら最後まで付き合えねーぜ」
サイゾウの笑い声で我に返る。
「わかった。了承しよう」
「それと、このまま料理人の修行は続けたいんっス。駄目ですか?」
「ははは、それは平気だ。そうくると思って、ハカタの訓練所に手配してある。1週間の内、3日間、実戦トレーニングに通えばいい。それ以外の日は厳しい自主トレを積んで貰うが、耐えられるか?」
「はい、火星に行くためなら」
アキトの返事に満足そうに頷くヒラヤマ。
「うん。いいか、諜報部員と言っても、命を粗末にするようなまねは、俺の部下である限り許さない。必ず生きて帰ることが最も大事なことだ。決してトレーニングを疎かにするなよ」
話はまとまり、その日から諜報部員としてのアキトの再出発が始まった。










「テンカワ。課長がお呼びだ」
ハカタの訓練所でトレーニングを積むようになって、1年半。
早くも暖かくなり始めた2197年3月、アキトは出張してきたヒラヤマと面談するために、所長室へ向かっていた。
「失礼します」
「おお、テンカワ。半年ぶりだな」
「はい」
「まあ、座れ」
勧められるままに腰を下ろす。
同時に所長秘書が入って来て、2人の前にお茶を置くと、そのまま去る。
所長も席を外しているらしく、この部屋にはアキトとヒラヤマしかいなくなった。

「順調じゃないか」
言葉少なに言うヒラヤマ。
「おかげさまで」
アキトは1年間、基礎トレーニングと実戦研修を積み、その後半年間の間で幾つかの簡単な任務をこなしていた。
毎朝4:00には起床して、自主トレーニング。
週に3日はその後ハカタへ、それ以外はそのまま食堂勤務。
ハカタの訓練所では最初の半年ほど朝食を全て吐き出すほどの訓練を受け、ようやく体が慣れてきた頃に機動兵器の技術基礎知識の講習と実習を行い、それに伴う力学や電子工学・諜報部員としての語学教育は自宅で夜の仕込み作業が終わってから自習した。
肉体的な苦痛は、イネスや火星を想って歯を食いしばって耐えた。
が、教養や知識は所詮付け焼刃であり、アキトがどんなに人生でこれほど勉強したことはなかったと言っても、完璧にモノにはならなかった。
だから今までのところ、専門的な知識を要する任務には就いていない。

それでも、僅か1年半の訓練としては上々の成果を挙げたようだ。
「俺も安心できるよ。無理やり押し込んだ形だったからな。これでお前が何の実績も挙げられなかったら大変だ」
笑いながら言うヒラヤマだが、本音だろう。
アキトも苦笑する。
「ひどいっスね。俺、そんなに信用できませんか」
「ははは、まあ、そうむくれるな。仮に、の話だよ」

一頻り他愛もない話をした後、ヒラヤマが表情を改める。
「テンカワ、いよいよだ」
アキトも緊張で体が硬くなるのがわかる。
「では・・・」
「ああ。結局我が社ではあれを超える戦艦を建造できなかった。そこで、お前にはスパイも兼ねてあれに乗ってもらう」
「ナデシコに、ですか?」
ネルガルが作った民間戦艦が最近ではニュースでも取り上げられないものの、その優秀な性能で連戦連勝を重ねていることは知っていたが、
「あれは地球上での話では?」
「情報が入った。ネルガルではプロジェクトM-8622に沿ってナデシコを運用することに決定したらしい。正式名称はわからんが、それは火星の資源と研究データを持ち帰ることのようだ」
アキトは待ちに待った火星行きの日が近づいたことを確信して、身が震える。
「ネルガルの主力兵器は知ってるな?」
単なる確認である。
「はい」
アキトも当然のように返す。
機動兵器エステバリスである。
アスカ・インダストリーでも機動兵器の試作が続いているが、現在までのところエステを超える機体は生み出せていない。
「そのパイロットとして乗艦しろ」
「最初の実戦がアスカの機体でないのは残念ですね」
「そう言うな。まあ確かに自社製品でお前を火星に送り出したかったんだが、仕方ないだろう。実習機もIFS仕様だから、細かい操作以外は変わらん。できるな?」
アキトはようやく心からの笑顔を見せて、ヒラヤマに言う。
「任せてください。こればっかりは教官にも誉められましたから」
釣られて笑顔を見せたヒラヤマは、しかしすぐに表情を改めた。
「よし、では任務を伝える。再出航する機動戦艦ナデシコに乗艦し、ネルガルにて極秘進行中のプロジェクトM-8622について捜査せよ」
「了解。すぐに準備にはいります」
「ああ、明日午後3時のヘリでヨコスカへ飛べ。お前の経歴は偽装してある。資料をよく読んでおけよ。明後日にはネルガルからのスカウトが来る筈だからな」
「ネルガルの諜報部をよく騙しきれましたね」
「おいおい、お前こそ自分の部署を見くびってるんじゃないか?あそこで恐ろしいのは実戦部隊だけだ」
「そうでしたね」
ヤマガミは厳しい表情でアキトを見つめなおす。
「行って来い。ここからはお前独りで戦って来い」
アキトもしっかりした声で返事をする。
「はい!テンカワ・アキト、任務に就きます」










機動戦艦ナデシコ
another side

Monochrome




03 Spiral of the fate which begins to move

翌日、アキトはヨコスカへ向かった。
サイゾウがくれた、
『いつまでも待っててやる。全てが終わったら帰って来い。お前は俺の唯一の弟子だからな』
という言葉だけを胸に。









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《あとがき》

うっ・・・。
「ひとお〜つ」
 

b83yrの感想

実は今回、らいるさんから4話纏めて投稿してもらっていたりするのですが
まだ、残りの話は読んでないんですな、これが
やっぱり、後の話を知っている場合と知らない場合で、話に対するイメージって物がどうしても変って来るんで
今回は、その4話を1日1話ずつ朝の6時台ぐらいにアップしていく予定です

しかし、イネスさん、色々と暗躍してるみたいですな
諜報部員としてナデシコに乗りこむアキトはこれからどうなることやら

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