ラピス・ラズリの怪説ナデシコ
  第五章 オモイカネ

  そろそろ、チューリップに入る頃かな?
 機動戦艦ナデシコが火星で、チューリップに入るのは?
 俺? 俺はナデシコのオモイカネ内に精神のみ取り込まれた、未来のテンカワ・アキト。
 オモイカネの中で、肉体を取り戻す、更に、未来の時間−俺達の元の時間に戻る方法を
 捜している最中だ。

  火星に来る途中で、ラピスが、ルリちゃんに何とかしてもらおうと話してくれたのは好都合だった。
 そのおかげで、ルリちゃんに俺の存在を知らせる事が出来た。
 それまでは、俺はルリちゃんにとって、オモイカネ内のゴミにすぎなかった。
 ゴミだから、ルリちゃんに姿を見られたら消去されていたし。
 もちろん、消去される前にバックアップをとって、
 バックアップから、元の機能が戻るようにはしていたけど。
 まぁ、それも今となっては過去の事。
 ルリちゃんとラピスが知り合いになって、ルリちゃんが俺達に協力してくれる事になった。
 無理矢理だけど。

  協力してもらってやっている事は、俺がユーチャリスや、当時の二人の
 状況データを用意して、そのデータをラピスとルリちゃんに調べてもらう。
 そして、過去に来た原因、及び帰る方法を捜してもらう。
 といった事をやってもらっている。
 フクベ提督がクロッカスを動かす頃には、未来に帰るには、
 もう一度ボソンジャンプするしか無い。と、結論が出ていた。

  これは二人に調べてもらうまでもなく、それしか無いとは思っていたが。
 そして、今の二人は自らボソンジャンプ出来ないので、
 誰か、又は、チューリップの手を借りてジャンプするしか無い。
 そして、未来の記憶からナデシコはもうすぐ、チューリップに入りジャンプする。
 ルリちゃんはチューリップの機能もボソンジャンプも知らないみたいだから説明する。

  その説明の最中に、ルリちゃんに誰か声をかけた人がいるようだ。
 ルリちゃんに聞いたらフクベ提督らしい。
 ルリちゃんにどんな用事だったと聞くと、フクベ提督は、ナデシコの被害状況と、
 ナデシコの武装に関して聞きたかったらしいが、もう良いといわれたとか。
 ・・・チューリップの機能とボソンジャンプの説明の時にフクベ提督か・・・
 あまりにもタイミングが良すぎる?
 と言っても何が出来る? 助ける?
 ・・・助けなくても生きているんだし・・・放っておこう。
 というより、それしか選択肢が無い。
 火星の人達にしたって、俺達にはその余裕も手段も無かった。
 チューリップに入る前に結論を出さなければならなかったし。

  そして、過去に来た原因は・・・・・・
 やっぱり、ユーチャリスで俺が過去のナデシコの事を考えたせいだと思う。
 分からないのは、俺が精神だけジャンプしたらしい事か。
 ことによると、体と精神が別々にジャンプした事も考えられるし。
 とにかく、ルリちゃんには、チューリップに入る前から俺達の事を監視してもらう事にした。
 そしてチューリップ突入。
 ・・・

  チューリップからの脱出。
 ホシノ・ルリは、未来からの来訪者を完璧に忘れていた。
 そして、オモイカネには、テンカワ・アキトの精神は無かった。
 オモイカネにはテンカワ・アキトが、自分の精神を守ろうとして築き上げたプロセスが残った・・・
 後に、オモイカネの自我として発達する事になる。
 ナデシコ内からラピスラズリの姿も無くなった。
 ラピスラズリが暮らしていた一角もIFS端末だけが残されていた。
 後に、ホシノルリが使う事になる一角とIFS端末がそこにはあった。

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b83yrの感想

ふむ、なるほどそれでオモイカネに自我が

ルリが未来からの来訪者を忘れていたのは、やはり、ジャンプの影響ですかね

何時か、思い出す事もあるのでしょうか

では、異味 重政さん投稿ありがとうございました



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