序章

機動戦艦ナデシコ


未来の為に


第二部



「序章」



「くそっ!!頼む!間に合ってくれ!」


決して広いと言えない廊下を、一人の男が全速力で走り抜けて行く。
その男の名は、テンカワ・アキト。
普段の彼からは、予想もつかないほどの取り乱し様でとある部屋を目指していた。


「きゃっ・・・・廊下は走らないでくださぁ〜〜〜い」

「すまん!」


ちょうど、廊下の突き当たりのところで女性とぶつかりそうになったが
ぎりぎりの所で身をかわすアキト。
だが、女性の方は突然の事に尻餅をついてしまったがアキトは抗議の声を上げる女性に
軽く誤ると、女性をそのままにして走り去っていった。

女性の方も、アキトの以上とも思える行動にそれ以上何も言えることはなく只見送るしかなかった。






「ルリ!!」

「あ、アキト・・・・間に合わなかったよ」


アキトがルリの名前を叫びながら入った部屋には、ラピスがベットの傍の椅子に腰掛けていた。
そして、ベットにはルリがいた。


「ルリ・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」


アキトの言葉にルリは何も答えずに瞳は硬く閉じられたままだった。
何も答えないルリに、アキトは震える手頬に手を当てると、瞳からは一滴の涙が、ルリの頬に滑り落ちた。



「すまない・・・・ルリ・・・一緒にいようって約束したのに・・・・済まない・・・」

「アキト・・・」


只、泣いて誤る事しか出来ないアキトにラピスは声をかけてあげる事出来ない自分に
歯がゆさを覚えた・・・・






その時・・・






「アキト?・・・どうして泣いているんですか?」


目を覚ましたルリは、不思議そうにアキトを見つめているが当の泣いているアキトは
悔しそうに、ルリに語り掛けた。



「だって・・・・・だって、出産に立ち会えなかったんだよ!?」

「だから、言ったじゃないですか。出産が早まる可能性があるからなるべく大きな仕事は
 断った方が良いって・・・・」

「アキトの自業自得だね・・・ルリ」



ラピスの指摘に、アキトは己の行動に激しく後悔していた。
そもそも、ルリが出産するまでは火星出身者の保護の仕事は、控えようと考えていたのだが
もうすぐ子供が生まれる身とあっては、少しでも生活費を稼がなければ行けないと考え
アキトは仕事に出かけたのだが、その直後ルリに陣痛が始まり現在に至るのだった。

ちなみに、この部屋はもちろん病院の一室である。



「アキト・・・名前は考えてくれましたか?」

「ん?ああ・・・・・・ムツミ・・・・って言うのはどうかな?」

「何か和風っぽいけど、私は好きだよ。ルリは?」

「そうですね・・・その名前にしましょう」







今ここに、新しい家族が誕生した・・・アキトとルリの二人の子供が。、


「序章」完


どうも、KANKOです。
今回のお話は、第二部の序章・・・言ってみればおまけみたいなものです(苦笑)

では、次回から本当に第二部が始まりますのでよろしくお願いします(笑)


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