最近、ユリカさんの出番が全然無いけど、別にユリカさんが怠けている訳じゃありません

いまナデシコのやっている活動は、とても地道で地味なモノ

広い火星を生存者を探しながら周っても、誰も見つからない事も少なくない

今日も無駄だったって思わせる事も多いんです

そんな中で、士気を保たせる事も艦長の重要な仕事

『艦長の仕事』って、実はほとんどが地道で地味で面白味のない事なんです

 

さて、前回のラストでイネスさん

「こっちのイネス・フレサンジュがどのくらい性格が悪いか確かめてみる?(ニヤリ)」

とか言ってたんですけど


頑張れ、ユリカさん

第9話、火星その5


ラピスの場合

 

ラピスラズリにとって、ユリカやルリがどんな存在かといえば、『象徴』だろう

『アキトの道具として、もっとも役に立ったのは誰か?』と問われれば、ラピスは自分だと躊躇無く答える

だからこそ、ユリカやルリが羨ましくて仕方が無かった

『道具以外』の部分でアキトにとても大切に思われている二人が

エリナやイネスも、『道具以外』の部分で、アキトの支えとなっているように見えて、だからせめて道具としての自分は一番でありたかった

もっとも、アキトはラピスを道具として見た事など無いのだが

今、アキトとのリンクも切れたラピスは、もう、自分が道具だという意識は無くなっている

道具では無い自分の事を、アキトはユリカやルリと同じぐらい大切にしてくれる

 

ユリカやルリと対等の存在になれた・・・

 

ラピスの心中にはその嬉しさがある

そして、ユリカやルリと一緒にいるアキトは、それ以前はけっして見る事の出来なかった笑顔を見せてくれる

 

だから

 

 

「ねえ、ラピスラズリ、ホシノルリがアキト君から身を引くって言ってるけどどうする?」

イネスからそう聞いて、しばらく硬直していたかと思うと、じわっ涙を浮かべるラピス

「ルリが一緒じゃなきゃやだ・・・・・・」

ルリが居なくなれば、アキトは悲しむ

そして、また以前のアキトに戻ってしまう

道具としてじゃない、『ラピスラズリを大切にしてくれるアキト』が居なくなってしまう

ラピスにはそんな気がするのだ

「ふ〜ん、あなたはアキト君を独占したいとか思わないんだ?」

「アキトはユリカやルリと一緒にいなきゃだめっ!!」

珍しく感情を剥き出しにするラピス

「だそうよ、ホシノルリ、」

影に隠れ、話を聞いていたルリがバツが悪そうに姿を表す

「ルリ・・・アキトの事嫌いになっちゃったの?」

不安そうな視線を向けるラピス

「いえ・・そんな事は無いです、大好きです、アキトさんもラピスの事も」

「じゃあ、もうそんな事言わないで、アキトが・・悲しむから・・・」

 

 

 

 

「この事だけでも、アキト君から身を引くなんて出来ないわね、ホシノルリは」


 


ミスマルユリカの場合

ルリやラピスの事で相談があると呼び出されたユリカ

 

「あなたも、よく今みたいな関係認めてるわね、普通は怒るわよ」

「う〜ん、確かに最初は嫌だったけど・・・」

「今は平気なの?」

「いえ、平気というより、今の関係を壊したく無いって気持ちかな、だって・・・ルリちゃんもラピスちゃんも幸せそうだし」

「あなたはどうなの?、そんな事で本当に幸せなの?」

「あっ、疑ってます?、ユリカは今の方が幸せって感じてるけど、それに・・」

「それに?」

「アキトをつれて帰って来てくれた時、ルリちゃんあのままだと壊れちゃいそうに見えたから・・・・・・・凄く無理してるように見えた・・あの時のルリちゃん・・・ユリカが好きになったアキトは、そんなルリちゃんを捨てるような事の出来るアキトじゃ無いし」

むしろ、アキトの自慢にすら見えるユリカの態度

いや、ユリカにとっては本当に自慢というか、惚気なのかもしれない

「全く、あなたには独占欲とかないのかしら?」

「違います、ユリカってものすご〜〜〜〜く我侭で独占欲が強くて欲深いんです、自分でも呆れるぐらい」

「どういう事?」

「だって、アキトもルリちゃんもラピスちゃんも失いたくないし、普通ならアキト一人を手に入れて他を捨てなきゃならないのに、ユリカは欲しいもの全てを手に入れてるようなモノですから」

笑顔で答えるユリカ

「なるほど、ミスマルユリカはとんでもなく強欲な女なんだ」

こちらも、笑いながら答えるイネス

「でも、あなたは前の世界じゃ、メグミレイナードやスバルリョーコ相手に、アキト君の取り合いしてたんでしょ?」

「う〜ん、なんでかな?でも、ルリちゃんやラピスちゃん相手だと、アキトを独占したい気持ちより、みんなの笑顔が見たいって気持ちに・・なんでだと思います?」

結構真剣なユリカ

「じゃあ私、イネスフレサンジュは?、私にとってもアキト君は大切なお兄ちゃんなんだけど」

「イネスさんの場合は、「微妙」です、でも、ミスマルユリカはとんでもなく独占欲が強い女だって忘れないでくださいね」

笑いながらも、同時に牽制を忘れない

「あなたが一番手強いかもしれないわね(苦笑)、じゃあ本題に入るわよ、ホシノルリの事なんだけど」

 

そして、ルリの悩みの事をユリカに話すイネス

流石に、夢の内容にまでは触れなかったが

 

「そっか、ルリちゃんやっぱり悩んでたんだ」

少し沈んだ表情で俯いているユリカ

「どうするの、艦長?」

「ルリちゃんの事叱ってきます、私の為にも」

「自分の我侭の為に?」

「はい」

 


 


そして、テンカワアキト

「ルリちゃんが?」

「そう、結構悩んでるみたいよ、内心は」

「・・・・」

「で、どうするの?」

「どうにも出来ません・・・」

確かに困ってはいるが、なにか決意のようなものを感じさせるアキト

「どうにも出来ませんか・・・あなたはホシノルリの事を愛していないの?」

「いえ、愛してます、だからどうにも出来ないんです」

「あなたは何時からホシノルリの事を愛してるって気がついたの?、艦長の所に帰ってから?」

「違います、俺はユリカの所に帰れたからルリちゃんを愛してるって気がついた訳じゃ無い、ルリちゃんを愛してるって気がついたからユリカの元に戻ったんです」

「最初は・・・確かにユリカの代わりだったかもしれない・・・それがルリちゃんを苦しめるって解かっていながら・・それでも、俺は・・・・」

「ホシノルリを求めた・・・」

「最低ですね、俺は」

「あの子は、それでも嬉しかったみたいだけど」

「だから、余計に最低なんです、ルリちゃんの気持ちを利用するような事をして・・・・今だって、3股なんてかけて・・でも・・・」

「でも?」

「こまで来たら、最低を貫き通します、それがルリちゃんの想いに酬いる唯一の方法だと思うから・・・」

「でも、あの子にだって独占欲はあるわよ」

「わかってます、だから余計に俺がふらふらする訳には行かないんです、俺がふらふらしたら余計にルリちゃんを苦しめる事になるから、ルリちゃんだけじゃない、ユリカもラピスも」

「普通は、誰か一人を選んだ時の台詞なんだけど、その台詞は(苦笑)」

半分呆れ、半分は羨ましさを感じながら答えるイネス

「最低ついでに私はどう?」

悪戯っぽい笑みを浮かべながら、自分を指差すイネス

「だめですよ、俺は浮気はしません」

こちらも笑顔で答えるアキト

「だそうよ、出てらっしゃい、ホシノルリ」

 

 

「アキトさん・・・私・・・・・・」

感極まったのか、言葉が出ないルリ

「みんなが、あなたの事をどれだけ大切に思っているか解かったでしょう、これでもアキト君から身を引くなんて言える?」

「・・・いえ・・」

 

「ルリちゃん・・・俺・・・・自分でも最低だと思ってるけど、ついて来てくれるよね?」

「はい、私は最低のアキトさんが大好きです」

 


 


あの後、イネスさんに、今までの何処が性格の悪い話なのかって聞いてみました

イネスさん

「あら、あなたは恩を受けた相手を邪険に出来るの?、それが例えアキト君を狙ってるような女でも(にやり)」

って答えられました

確かにイネスさん、性格が悪いみたいです(苦笑)

とまあ、これだけで終ってくれれば、よかったんですけど

 


 


「アキト君、な〜〜にをやってるのかなあ(ぴくぴく)」

ミナトさんに見つかってしまったんです

私が通路でアキトさんに抱しめられている所を(汗)

 

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後書き

投稿先が閉鎖って事で、これからは自分のHPでアップする事にしました




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