さて、ナデシコはボソンジャンプを使って、あっさりと一度地球に戻って着ました
何時戦闘に巻き込まれるかもしれない火星で、艦内に民間人を何時までも収容しておく訳にもいいきませんから
ネルガルの方で、火星の人達の身を預かって貰って、私達はまた火星へとジャンプです
でも、その前に・・・・
頑張れ、ユリカさん
第8話、地球その1
「・・・・・エリナ君・・・生きてるかい?・・・」
力無くアカツキ
「・・・・・なんとか・・・」
返事をするエリナにも力が感じられない・・・・
どうも、イネスから、色々な事を、た〜ぷり説明されて力尽きてしまったらしい・・・・
「・・・彼女は優秀な科学者なんだが・・・・」
「・・・・・・・・・」
「ちなみにだね・・・・・」
「・・・・?」
エリナには喋る気力も残っていないようだ
「もし、火星の生き残りの人達に、おかしなマネをするような事が有れば・・・イネス博士の説明をとりあえず2割増程度で聞かされるらしい・・・」
「いや〜〜〜〜〜〜〜〜(T_T)」
イネスさんって(苦笑)
「ルリちゃん、ラピス、・・それにユリカ、ごめんっ」
艦長室・・ユリカの部屋で、アキトが平謝りしている
「はあ、別に謝る事でもないんですけど」
「そうだよアキト、みんなで決めた事だし」
「・・・アキト・・謝らなくていい・・」
「でも・・・・・それでも、謝っておきたいんだ、ごめん」
「まあ、アキトさんらしいって言えば、アキトさんらしいです」
アキトが何を謝っているかというと・・・
「ここで働かせてくれ?パイロットのテンカワが?」
「はい、ホウメイさん」
「駄目だね」
一言で断られ、落胆するアキト
「・・・・・やっぱり、パイロットと食堂勤務の兼任なんて、そんないい加減な気持ちで料理をするなって事ですか?」
「いや、別の理由だよ」
「別の?」
「そう、テンカワ・・・あんた3股かけてるそうじゃないか」
「そっ、それはっ(汗っ)」
何時の間にか、ホウメイさんの耳にまでその噂は広がっていたのだ
「今度は、ナデシコ食堂の女の子達にまで毒牙にかけるつもりかい?、わたしゃ、この厨房を預る身として、あんたみたいな男を雇う訳にはいかないよ」
「うっ」
考えてみれば、そう思われても仕方が無いだろう
アキトがここで、上手い嘘でも言えれば良いのかもしれないが・・・そんな性格ではない
「それは、誤解ですよ」
ここで、アキトに助けが入る
「ルリちゃん」
何時の間にか、アキトの傍に来ていたルリ
ふと、食堂の方を見渡してみると、ユリカやラピスも居たりする
「アキトさんは、3股なんてかけてません、アキトさんが愛しているのはユリカさんだけです、そうですよね、アキトさん?」
などと、ルリに笑顔で言われたり
アキトの心中は複雑である
何かあったら、表向きは、そう言っておくべき・・確かに、それはみんなで決めた事・・・・・そして、それでみんな納得したのだ
今の関係を続ける為に
だが、アキトにとっては・・・
(ううっ、ごめん、ルリちゃん、ラピス、・・・・・それにユリカ・・・)
心の中で3人に謝りながら・・・・
「おっ、俺が愛しているのはユリカだけです(汗っ)」
アキトにとっては、かなり辛い台詞でも有ったりする・・・
横目でルリを・・そして、ユリカ達の方を見てみると、『うんうん、それで良いんだ』という顔
ユリカだけは、一寸複雑そうな顔をしているが
だが、その態度は余計にアキトの心を締めつける
いっそ、言ってしまいたい
『俺は、3人とも心から愛している・・・』と
「そう言えば、あの時ユリカさん複雑そうな顔してましたけど?」
「うん・・・なんだか、ユリカだけ特別扱いしてもらったみたいな気がして・・・・・ごめんね、ルリちゃん、ラピスちゃん・・」
今度はユリカの方がすまなそうである
「何を言ってるんです、ユリカさんが特別扱いなのは当然じゃないですか、本当だったらアキトさんの奥さんはユリカさんなんですから」
「でも・・」
「私達の方が諦めるべきなんです、本当なら・・アキトさんにはユリカさんが居るんですから・・」
「ルリちゃん・・そんな事言わないで・・」
「でも、本当なら怒ってもいいのに・・ユリカさんは私やラピスの事も認めてくれた・・・私もラピスも感謝してます」
「・・・・(こくり)」
「ねえ、アキト・・表向きは仕方が無いけど、みんながそう言ってくれるからってユリカだけを特別扱いなんてしないでね、ユリカその方が辛いから」
ユリカは本当に不安そうだ
「俺は・・・みんなの事心から愛してるよ・・でも・・」
「でも?」
「・・・やっぱり、3股かけてる最低の男だな、俺は・・・・・(苦笑)」
「仕方有りません、私は・・そんなアキトさんが好きになってしまったんですから(苦笑)」
「ううん、違うよルリちゃん、『私が』じゃないよ、『私達が』だよ」
「そうでしたね、ユリカさん(ニッコリ)」
「・・・なるほど、そんな事情が有ったのかい」
ルリの(表向きの事情の)説明を聞き納得するホウメイ
「はい、でも、この事をアキトさんから説明してもらっても、信じて貰えそうに無いんで、私が変わりに」
「艦長も、色々と大変なんだねえ、よしっテンカワ」
「はい」
「思いきって、雇ってやる」
「本当ですか!!」
アキトより先に、ルリが嬉しそうな返事をする
「ああ、だからあんたの家族にも知らせておいで」
「はいっ」
ユリカやラビスにその事を知らせるルリ
3人とも自分の事のように喜んでいる
「テンカワ・・今の内に言っておく・・あんたはパイロットがどれだけ危険な役割かわかってるね?」
「はい」
「もし・・食堂勤務のせいで、エステのパイロットの任務に支障をきたすような事が有れば・・私はあんたを追い出す」
「だからと言って、食堂勤務をおろそかにするのも許さない」
「解ってます」
そして、食堂の方を向き
「みてみな、あの自分の事のような喜びようを、あんたがいい加減な気持ちでコックをやるって言うなら、どれほど重い裏切りになるか・・」
「それに、もし死んだりしたら、あの3人が・・あんたの事を自分の事のように喜んでる家族が、どれほど悲しむ事になるか・・解るね?」
「はいっ」
「良しっ、言っとくけど私は厳しいからね、自分で選んだ道に泣き言なんて言うんじゃないよ」
「はい」
コック兼パイロット、テンカワ・アキトの復活である
とは言え・・・・
「あっ、3股男」
「いや、その(汗っ)」
一度広まった噂を打ち消すのは容易では無かったりもする
ましてや、『真実』はその通りである
ホウメイさんのとりなしで、なんかとか(表向きの事情に付いてなら)厨房の女性陣には納得してもらえたのだが・・
『俺が愛しているのはユリカだけ』
この後も何度かこの台詞を言わされる事になり、そのたびに、3人への罪悪感に苛まれるアキト
3股男には3股男なりの苦労が有るらしい(笑)
そして・・
「ううっ、何時の間にかテンカワ君とそんな仲になってたなんて・・・(T_T)」
その話を何処かで小耳に挟み一人泣く、ユリカの『御友達』アオイジュン
彼は、『3股』の事も知らずに、いきなユリカとアキトの仲の事を聞かされ・・
大丈夫だ、君には白鳥ユキナの尻に引かれるっ言う、幸せな?未来が待っているから(笑)
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後書き
女性3人公認の上で、その3人一筋?のアキトって、浮気者なんでしょうか?(苦笑)
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