イネスさんから大事な話が有ると呼び出されて行って見ればそこにはイネスさんが二人
しかも、そこには更に思わぬ人たちが
頑張れ、ユリカさん
第7話、いつかお前が『歌う詩』その4
「さて、全員集まったわね、じゃあ、後3人程紹介しておきたい人が居るの、出てらっしゃい」
元の世界イネスに呼ばれて姿をあらわしたののは
元の世界の姿のアキト、ユリカ、ルリの3人
『自分達』が、『自分達の前に』姿を表したの見て、思わず絶句する3人
ラピスだけは、特に感慨も無いようだったが
「『精神だけの逆行』について、私に尋ねていたでしょう、これがその答え」
「答え?」
「そう、貴方達気にならなかった?、この世界の精神が何処に行ったか?とか、元の世界の身体がどうなったか?とか」
「それは・・・」
正直な話をすれば気にはなっていた・・
だが、あえて考えない用にしていた部分も
「この世界の身体に未来の貴方達の精神が宿った時に、この世界の精神は身体からはじき出され・・・・」
「未来の貴方達の身体に宿った・・・・・つまり、『入れ替わった』のよ」
「そんな・・事が・・」
「そう、本来ならそんな事は起こり得ない・・・起こり得ない事が起こるとすればどんな時かしら?」
「何かに狂いが生じている・・・」
ルリが答える
「その通り、遺跡に狂いが生じているの、そしてその理由は、ミスマル・ユリカ、貴方よ」
「私が?」
「そう、火星の後継者達はよりによって艦長を遺跡に融合させた・・その結果は・・・」
「・・・・・」
「頭にお花畑の咲いた艦長を融合させた事で、遺跡の演算機能にまでお花畑が咲いてしまったのよ」
「成る程」×2
思わず納得してしまうアキトとルリ
「うっ(汗)」
思わず冷や汗を流すユリカ
だが
「冗談よ」
あっさりと否定するイネス
(アキトさん、今の話、本当に冗談でしょうか?)
(いや、やけに説得力感じたんだけど(汗))
「ルリちゃん、アキト、何コソコソ話してるのかな〜〜」
一寸だけ(怒)なユリカ
「まあ、遺跡に『人間』を融合させた事で狂いが生じたって言うのは本当の事、ユリカさん以外でも結果は似たようなモノだったでしょうね」
イネスの説明は続く
「ラピスとアキトのリンクは?」
今まで黙っていたラピスの疑問
「それは私の方から説明します」
名乗り出たのは未来?のルリ
「ラピスさんが過去に跳んでしまった事で、アキトさんの五感のサポートは途切れました」
「そん・・な・・」
「・・・そんな・・アキトさん・・」
ラピスとのリンク以前のアキトの状態を聞かされていただけに、強いショックを受けるユリカとルリ
「じゃあ、向うの世界の俺は?」
「今は心配要りません、なぜならば」
「ユリカとルリちゃんでアキトのサポートしてるもんね♪」
向うの世界でもユリカの性格は相変わらずのようだ
「私の・・・貴方達から見て、『未来?』のホシノルリの精神は過去のモノかも知れませんが、『未来?の身体』の能力や、『脳の記憶』はそのまま利用できます、その為に、限りなく逆行寸前のホシノルリに近い存在になっているんです、私は・・・・そして、私だけじゃなくて、ユリカさんやアキトさんも」
「だから、こちらの世界の私にとって『大切な人』は私にとっても大切な人・・・『大切な人』苦しんでいるのならやる事は一つ・・」
「アキトさんとのリンク・・・」
「ええ、危険だからっ止めろってイネスさんに何度も言われましたけど・・・・・」
「でも、ルリちゃんとのリンクだけじゃ、足りなくて・・・アキトの五感はラピスちゃんとのリンク程は回復しなかった・・・だから今度はユリカともリンクしたの」
「二人とも、アキト君の為なら私の警告なんて全然聞かないんだから」
呆れるように呟くイネス
「でも、危険な事には変わりが無い、3人のリンクはとても特殊で結びつきが強いモノになってしまったから・・もし、3人の内一人でも命を落とすような事になれば、おそらく3人とも命を落とす事になる」
「そんなのって・・・」
「そのくらいの事で、アキトさんを救えるのなら構いませんよ、私は、貴方達だってそうしたんじゃ有りませんか?」
「・・・・・確かにそうですね」
「うんうん」
「・・・・(こくり)」
三者三様の答え方だが、結論は同じ
何しろ、アキトが罪の償いの為に命を自ら命を捨てるようなマネをするのなら、私達も後を追うと、脅迫じみた事まで言って居るのだ
そしてそれは、ユリカ、ルリ、ラピスの嘘偽りの無い本心から言葉
たとえそれが間違っている事だと解っていても
「さて、これからが本題、何故私達がこっちの世界にわざわざ来たのかをこれから説明するわ」
「俺達がここに来たのは、『遺跡の修復』の為なんだ」
黒い王子バージョンのアキトが話し始める
「修復?」
「そう、遺跡の狂いをそのままにしておけば、いずれ、大変な事が起こりかねない、今は精神の入れ替わりだけで済んでるけど・・・時間軸や、平行世界への移動が全くランダムに行われるようになったらどうなる?」
後を続けるイネス
「・・・・どうなるか具体的にどうとは言えないけど・・・・(汗)」
「確かに、大変な事になりますね・・」
「ただし、私達はこっち側の世界では何一つ出来ない・・・こっち側の世界で『遺跡の修復』が出来るのは貴方達だけなの」
「それは・・・私達が『逆行者』だからですか?、イネスさん」
「その通り、流石に鋭いわね、ホシノルリ」
「でも・・・なんでイネスさんそんなに詳しいんです?」
今度はユリカが尋ねる
「艦長もお馬鹿な割に鋭いわね(ニヤリ)」
「わ〜い、イネスさんに誉められちゃった♪」
(誉められたのか?今のは)
(・・・ユリカさんにとってはそうなんでしょう(苦笑))
「はっきり言えば、『遺跡自身に聞いた』のよ、助けてくれって」
「遺跡が?」
「火星の遺跡には、自分を守ろうとする本能のようなプログラムが有るの、遺跡自身が狂い始めたた事を自ら知って・・・初期の内に対処しようとしているのよ、その為に数少ないA級ジャンパーで有ると同時に、科学者でも有る私に、遺跡からのメッセージが直接脳に送られてきたって訳」
「でも・・・遺跡の修復って言っても私達は具体的に何をすれば良いんですか?」
「簡単な事よ、『正しいジャンプを繰り返してもらう』これだけの事」
「本当にそれだけなんですか?」
ユリカが聞き返す
「ええ、こっちの世界ではね」
「こっちの世界では?」
今度はルリが
「向うの世界ではまた別にやる事が有るけど、貴方達が知っても仕方が無いし、それは私達の仕事だから」
「え〜、でもユリカ気になりますよ〜」
「まあ、順序だてて説明するから待っててちょうだい」
「先ず、狂ってしまった遺跡を元に戻す為には、「基準となる元の遺跡」が必要なの、それはこの世界にあるわね、変に弄くられる前の遺跡が」
「そして、この世界の遺跡のデータを、向うの世界に移す為には、貴方達のような『どちらの遺跡とも繋がっている逆行者』が必要」
「でも、その遺跡のデータをそのまま移しても、遺跡のデータが初期化されてしまう・・・どうも、それじゃあ困るみたいなのよ、遺跡にとっても」
「困る?」
「具体的にどう困るかまでは、言わなかったけど・・ともかく『困る』らしいわね、遺跡にとっては」
「そこで、「正しいジャンプのデータ」と「人間を無理矢理融合させた時の、間違ったジャンプのデータ」を比較する事で、遺跡のバグ取りをするの」
「・・あの・・もしかして、向うの世界でする仕事って・・・・プログラムのバグ取りみたいな物なんですか?(汗)」
「そうね、そんな物かしら、これから締めきり直前のプログラマーや漫画家みたいな運命が私達を待ってるわ」
「そっ、それは・・結構嫌かも・・(汗っ)」
「仕方がないでしょう、世界の運命がかかっているんだから・・」
だが、イネスの背中がやけに煤けて見えたのは気のせいだろうか・・・・
「あっ、イネスさん、そろそろ時間です」
未来?のルリがイネスを促す
「あっ、本当だわ、出来ればもっと『説明』したかったんだけど、帰らなきゃ」
「えっ、帰っちゃうんですか?」
名残惜しそうこちらの世界のユリカ
「俺達には、こっちの世界になるべく干渉しないように、こっちの世界に居られる時間の制限があるんだ」
「成る程」
「じゃあ、みんなまた会おうね〜♪」
「ジャンプ」
あっという間に、目の前から消えてしまう、未来?の自分達
「さて、ここから先は、こちらの世界のイネス・フレサンジュの聞いた、向う側の世界の事を話してあげるわ」
「さて、向う側の世界の、テンカワアキト、ミスマルユリカ、ホシノルリ、ラピスラズリは、表向きはどうなったでしょう?」
「表向きには・・・・死んだ事になっている可能性が高いですね、A級ジャンパーや、マシンチャイルドの危険性を考えれば」
「その通りよ、ホシノルリ、でも、どんな風に死んだ事になったかはわかる?」
「いえ、そこまでは・」
「表向きはこうよ、テンカワアキトは火星の後継者の非道な人体実験により死亡、助け出されたミスマルユリカも、その後、実験の後遺症に苦しみながら命を落とす・・」
「ホシノルリは、その後を追うように自殺、遺書には、『大切な人を二度も失う事に耐えられませんでした・・』」
「うわっ、暗い話ですね、イネスさん」
とユリカ
「更に、貴方達の事を多少なりとも知っている人に『真相として』伝わっている話はこう」
「復讐の狂気に囚われたテンカワアキトを止める為に、ホシノルリは自らの手でテンカワアキトの命を奪う、奪わざるを得なくなる・・・・・でも、その事で、ミスマルユリカの病状は一気に悪化・・・遺跡の後遺症なんて本当はたいした事は無かったのに・・・」
「『ユリカさんは私が殺したようなモノ・・・・・・』自殺する直前には、よくそう呟いていた・・」
「これが、『真相として』伝わっている話」
「・・・でも・・・・その話って・・・・」
アキトの表情が曇る
「そう、アキト君が何時までも逃げまわっていれば、本当に有り得たかも知れない話・・・・良かったわね、そんな事にならなくて」
重苦しい沈黙・・
沈黙を破ったのは・・
「ラピスは・・そんな事になって欲しく無かった・・・・だから、ルリにアキトの居る場所を知らせた・・ラピスだけじゃアキトを止められないから・・」
「アキトはラピスを大切にしてくれた・・でも・・それは、アキトの五感のサポートをしてるから・・もしかしたら道具として大事なだけなんじゃ無いか・・・って思ってた・・」
「だから、ルリに知らせた・・・アキトはルリやユリカを本当に大切にしているのがわかったから・・・ルリやユリカが、アキトがルリやユリカを大切にしているのと同じぐらいアキトを大切に思ってくれているなら・・・アキトを止めてくれるかも知れないから・・・そして、アキトを止めてくれた・・」
「ルリ・・ユリカ・・ありがとう」
ぎこちない・・それでも、嬉しそうなラピスの笑顔
「俺は、ラピスを道具だと思った事なんて、一度も無いよ」
「そうですよ、もしラピスを『道具』だなんて思っていたなら、アキトさんと言えど許しません」
「ラピスちゃんはラビスちゃんだもんね」
「全く、仲が良いわね、でも、アキト君は将来は誰を選ぶ気なの、やっぱりユリカさん?」
間髪入れずにユリカが答える
「ダメだよアキト、ユリカだけを選ぶなんて事しちゃ、そんな事したらユリカ怒るからね」
「私も、自分だけを選んで欲しくは無いです・・・」
「ラピスもみんな一緒が良い・・・」
「・・ほら、最初から答えは出てるでしょ、イネスさん(苦笑)」
「そうね、でも・・・」
「世間一般の目じゃ、3股かけてる上にその内二人が幼女のロリコンの最低男かもね(ニヤリ)」
「それも仕方が無いです(T_T)」
8話その1へ進む
後書き
遺跡が狂ったのは、「お花畑」のせいじゃなくて、「人間を融合させるような無茶な使い方をしたせい」ですからね
某チャットで、先に見てもらったら、みんな『お花畑』のせいっていうので念の為(苦笑)
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