でも、私達の関係って異常ですね
愛人の私が正妻のユリカさんと仲良くしているんですから
もし、こんな関係がみんなにばれたら、アキトさんと私達を引き離そうとする人達って結構いそうです
でも・・・・・
私達にとっては、この形が幸せなんです
ユリカさんやラピスを大切にしてくれるアキトさんが好きなんですから、私は
もしかしたら、アキトさんが私一人を選んだ方が辛いかもしれません
こんな事言ってる私も、『壊れルリ』なのかもしれませんね、実は
頑張れ、ユリカさん
第7話、いつかお前が『歌う詩』その3
「ルリちゃん、それって・・・(冷や汗)」
冷や汗をかきながら、次の言葉を続けるメグミ
「アキトさんって、一体・・・・ルリちゃんにまで手を付けてるの?」
「ええ、私の身も心もアキトさんのモノです」
「・・・・そ・・ん・・な・・・」
顔面蒼白になるメグミ
「駄目よ、そんな事っ、何時かみんなぼろぼろにされちゃう、ルリちゃん考え直してっ」
メグミは切羽詰った強い口調で,ルリを説得しようとする
もっとも・・
「冗談ですよ、大体、私やラピスの歳を考えてください(くすっ)」
「えっ」
『冗談』と言う、言葉を聞き少しだけ落ちつくメグミ
「メグミさん、アキトさんが3人の女性と付き合ってるって話は誰から聞きました?」
少し、意地悪そうな笑みを浮かべながら、聞き返す
「ラピスちゃんからだけど」
「くすっ、それでメグミさん勘違いしたんですね」
「勘違い?」
「ええ、勘違いです、アキトさんがユリカさんと付き合ってるのは本当ですけど、3人って言うのは少し意味が違います、私もラピスもアキトさんに手を付けられてなんて居ませんよ」
「じゃあなんで、ラピスちゃん『3人は身も心もアキトの物』だなんて?」
「・・・・・私やラピスは特殊な環境で育てられました・・・・そのせいで一寸一般的な常識に疎い所が有るんです、ラピスは『つきあってる』って言ってたみたいですけど、本当はこの艦を降りた後には、ユリカさんとアキトさんで私達を引きとって、『家族』として一緒に暮らそうって約束してるんですよ」
「・・・そっか、良かったそう言う事で、じゃあ、艦長は3股かけられてる訳じゃ無いんだ」
明るい表情へと変わるメグミ
メグミは本当にユリカの事を心配していたのだろう、ルリの事も・・
「でも、あんまりユリカさんとアキトさんの事は広めないで下さいね、一応、ネルガルの社内規定って物も有りますし、下手するとユリカさん艦長降ろされちゃいます、あんまり五月蝿く言わないのは、ユリカさんが艦長で有ってこそなんですから」
「うん、解ったルリちゃん・・・ぁっ」
「どうしたんです?」
「あたし・・・・・リョーコさんやミナトさんにもいっちゃった、アキトさんが3股かけてるらしいって(汗)」
「はあ、それは(苦笑)」
「どうしよう・・・・・・・御免ね、ルリちゃん」
今度は、さっきの明るい表情から一転してすまなそうな顔
「まあ、私の方から出来る限り誤解を解く用にしておきます、でも、メグミさんもちゃんと言っておいてくださいね、アキトさんはそんなに酷い人じゃ無かったって、それと・・・・」
「アキトさんは既にユリカさんに売約済みって話もそれとなく」
「うん、伝えとくねルリちゃん」
(さて、これでこっちの問題は片付きましたか、後でラピスにも言っておかないといけませんね、それに・・・)
(アキトさんとユリカさんの仲が公然の秘密になれば、アキトさんの女難も防げますし・・・・私達が3股かけさせてる事自体、既にアキトさんにとっては無理させているんですから)
「元の世界に?、でも、帰っても意味があるの?」
怪訝そうに聞き返すイネス
「・・・・・・帰って何をする訳でもない、でも見ておきたいんです、この目でしっかりと・・・・・・」
「何を?」
「元の歴史が変わる訳じゃ無いって事を・・・・・・俺の犯した罪はけっして消えないって事をこの目で・・」
「アキト・・・・・」
心配そうにアキトを見つめるユリカ
「解ってるよ、ユリカ、心配しないで」
ユリカを心配させたくないのか、笑顔を向けるが何処かアキトの表情は痛々しい
「イネスさん、私からもお願いします」
今度はユリカから
「私は・・・元の世界では多くの間違いを犯しました、その為に命を落とした人も居ます・・・私の為に・・・私もはっきりと見ておきたい・・」
「それに、アキトは私の為に罪を犯したんです、もし、アキトが罪の償いの為に命を落とすのなら私も後を追います、私だけじゃないルリちゃんもラピスちゃんも」
そして、アキトに笑顔を向ける
「ごめんね、私達の我侭の為に、生きて・・・・・アキト・・・・」
「・・・解ってる、馬鹿なマネはしないよ・・・・」
そして、
何処かすっきりとした顔でイネスに話しかける
「俺は、ユリカもルリちゃんもラピスも巻き込みたくは無かった、でも・・・・・・俺を救ってくれたのは彼女達だった・・・」
「俺には許されてなんていないんです、安易に死を選ぶなんて道は、俺は彼女達を守る、守りぬいて、・・・・・・・地獄に落ちるのはその後です」
しばらくの沈黙
そして
「・・・・なるほど、それだけの覚悟はしてるのね、お兄ちゃん・・」
「えっ、」
『おにいちゃん』その言葉に驚く二人
「イネスさん、どうしてそれを・・・その事は言ってなかったのに・・・」
「驚く事じゃないでしょ、ここが平行世界なら、私が記憶を取り戻すタイミングが早まっても別に不思議じゃ無い、ましてや、ボソンジャンプの正体が時間移動だって知って、『アイちゃん』の事まで知ってしまった今では尚更ね」
「・・流石ですね、イネスさん」
ユリカが感嘆の声をあげる
「くすっ、くくくくくくくくくく」
急に、イネスが堪えきれないという調子で笑い始める・・・
「くすっ、あはっ、おかしい、あ〜おかしいクスクス」
「あの(汗)」
急に笑い始めたイネスを見て、不安に襲われる二人
「本当は、もう少し黙っておくつもりだったんだけれど・・・いいわ」
「私よ、貴方達の知っている『貴方達の世界の』イネス・フレサンジュよ」
「えっ」
「いいわ、出てきて、こっちの世界の私」
そして,現れるもう一人のイネス・フレサンジュ
「色々と興味深い話を聞かせてもらったわ、ありがとう向うの世界の私」
「あの、これって一体・・・・(汗)」
「ふっふっふっ、聞きたい?」
新しく現れたイネスが答える
「でも、その前にホシノ・ルリや、ラピスラズリを連れてきてもらえるかしら、大事な話が有るって」
今度は、アキト達の元の世界のイネス
「そうしたら・・・・」
「た〜〜〜〜〜ぷりと説明してあげるわ、二人ががりで(ニヤリ)」
「うっ(汗)」
「メグミさんの方はとりあえず一区切り付きましたけど
・・・・・・なにか、凄く嫌な予感がするのは気のせいでしょうか・・・・・(汗)」
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後書き
この話を読んでいて、違和感を感じてた人居ません?
愛人(ルリ)が、正妻(ユリカ)の再教育をしてる話ですよ、コレ
そして、ルリもユリカもその事を受け入れてる
二人とも『壊れて』いると思いませんか?よく考えてみれば(笑)
まあ、『嫉妬に狂わせる』のだけがキャラの壊し方じゃ無いだろうって事で
実は、『壊れルリに見えない壊れルリ』の話なのかもしれませんね、この話(笑)
7話その4へ進む
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