え〜と、スバル・リョーコだ
なんでも、今回は何時ものルリが忙しいらしくて俺に出番が回ってきた
今やってることは、火星にあるバッタやらの残骸を集める事と、破壊したチューリップの欠片集め
なんでも、後で役に立ってくれるって話だが
えっ、テンカワの事?
まあ、友達思いなのは確かだな
ヤマダが死なないように、俺達に厳しく指導して貰えるように頼んできた
テンカワ自身も、俺達と訓練を必死に積んでるよ
なんだか俺の教官の事を思い出したよ
その教官、なによりも先ず『生き残る事』を叩きこんでくれた
・・・・その教官、鬼みたいな奴でさ
でも、誰よりも生徒を大切にしてる人だった
おっと、昔話じゃなくて今の事を話さないとな
あのなテンカワ・・・
友達思いなのはわかったから、、その女癖の悪さはどうにかしろ(怒)
通信手のメグミに聞いたけど、3人の女と付き合ってるらしいじゃないか
しかも、その内一人は艦長らしいって話だ
艦長、本当かどうかは知らないが、そんな最低の男に引っ掛かるなよ
俺は、『浮気者』は大嫌いなんだ
もし、それが本当で、艦長泣かせるような事が有ったら・・・
ぶん殴ってやるからな、テンカワ・アキト(怒)
頑張れ、ユリカさん
第7話 いつかお前が『歌う詩』
その1
3
2
1
どっか〜〜ん
なぜなに、なでしこ〜〜〜〜
「お〜い、みんな集まれ〜〜、なぜなにナデシコの時間だよ〜〜〜(ぼ〜よみ)」
「あつまれ〜〜♪」
何故か、今回は本編と違い、ルリウサギとユリカおね〜さんで行われている、なぜなにナデシコ
だか、なにか違和感を感じているイネス
「おかしいわね、年齢的には正しい配役なのに・・・・・何故か違和感を感じる」
その後、
全ての説明をルリウサギ一人でこなしてしまい、ふと気付くと・・
地面にのノ字を書いて、いじけている、イネスとユリカおね〜さん
「って、2人ともなにをいじけているんです!!」
「ううっ、私の『説明』が〜〜(T_T)」
「ルリちゃん酷い、ユリカおね〜さんの台詞が〜〜(T_T)」
ルリは呆れつつも、提案をする
「じゃあ、配役を変えましょう、私がおね〜さんで、ユリカさんがウサギさん、これで良いですね」
そう、これはなぜなにナデシコのリハーサル
結局、本番は本編通りの配役で行われる事に
そして、本番中でこっそり呟いたイネスさんの台詞
「・・・・なぜかしら?お馬鹿なウサギの役が、艦長にぴったりハマルのは?」
結構、失礼な事いってるぞイネスさん(苦笑)
とまあ、馬鹿な事をやっては居るが、別に理由が無い訳でも無い
収容した火星の生き残りの人達は、生きる事が精一杯で『娯楽』を楽しむ余裕など無かった
そんな人達に少しでも楽しんで貰いたいと言う事で、艦長自らお馬鹿な役を引き受けたのだ
けっして、ユリカの趣味ではない
・・・・・・と思う
「でも、やけにユリカさん活き活きしてましたけど?」
ルリちゃん、相変わらず突っ込みがキツイね(苦笑)
でも、活き活きとしているユリカさんの方がルリちゃんも好きでしょう?
「ええ」
「うわっ」
なにやら、嫌な夢を見たらしく飛び起きるアキト
「・・・・・・・・」
ふと、艦内放送を見てみると『なぜなにナデシコ』が放送されている
ホッとするアキト
「・・・・・・嫌な夢だった・・・・(滝汗)」
どんな夢だったんだろう?
「・・・・・・今まで見た事も無い女性達に追っ掛けまわされて、その上ルリちゃんまで壊れキャラになっていて・・俺の気持ちを無視して追っ掛けまわす・・・悪夢だよ(滝汗)」
そりゃ、悪夢だわ(苦笑)
大丈夫、作者は『女難のインフレ』なんて書く気はないから♪
とまあ、馬鹿な事ばかりやってるようだが
そんな事は無い
火星の生き残りの人達の救出
ちゃんと考えているのだ
実は1番手っ取り早い方法がある
『ボソンジャンプ』
火星の人達全てを収容する事が出来ないのは、一つには『食料』の問題
全員を収容するとナデシコに備蓄出来る食料の量では、これから地球に戻る間に尽きてしまう
そして、更に問題な事がある
『酸素』
この時代のある程度以上の規模の宇宙船なら、二酸化炭素から酸素を取り出して再利用ぐらいしている
とは言えやはり限界は有る
今の時点で確認できる火星の生き残り全てを収容すれば、ナデシコの定員の約3倍
これでは、能力的な限界を超えてしまう
だが、アキトとユリカと言うA級ジャンパー2人を抱えたナデシコなら、十分なCCさえあれば一瞬の内に地球に帰る事も出来る
実は万一に備えて、戦艦一隻を跳ばす事が出来るだけのCCも、ネルガルから積んできている
今回、ルリ達がこの世界を変える為に考えている方法は二つ
一つは、ボソンジャンプ自体を不可能にしてしまう方法はないか?
もう一つは、ボソンジャンプを当り前のものにしてしまう
ジャンプが当り前の物になれば、別にジャンパー達を誘拐しても仕方が無い
その為には、自分たちが出来る限りの協力をしても良いと思っている
もっとも・・・・・・
ジャンプを戦争に利用する事を止められるとは思っていない
アキトもユリカもルリもラピスも、『現実』を見すぎた
自分達が出来るのは、精々、『ジャンパー達の誘拐を防ぐ』ぐらい
もしも、ジャンプ自体を不可能にする方法が有ったとしても、人はジャンプ無しで戦争をする方法を見つけ出す
いや,そもそもジャンプの技術が開発される以前から人は戦いを繰り返してきている
所詮は戦争の技術の一つに『ボソンジャンプ』が加わっただけに過ぎないのかもしれない・・・
今回、ルリ達が考えている方法は、単純なものである
取り合えず、ここまで収容した生き残りの人達を一度ジャンプで地球においてくる
そして、またジャンプで火星に戻ってくる
ただこれを繰り返して、火星の生き残りの人達を一人でも多く助け出す
だだし、今の所ネルガルにあるCCは、戦艦一隻を跳ばせる程度が限度
だが、この火星で、破壊したチューリップから、出来るだけ多くのCCをかき集めておけば、何度も往復する事が出来る
地球に送り込まれたチューリップを破壊して、CCを手に入れても良い
そして、ジャンプの実験データは全てネルガルに渡す事で協力を求め、余計な人体実験を防ぎ、A級ジャンパーの存在を増やす事で、木連への牽制とし、戦いを膠着状態にする事で、停戦に持ちこむ
あくまでも停戦・・・・・終戦ではない
少し前の話
ユートピアコロニー以外にも、『生き残り』の人達が居た事を知った時、最初の内は喜んでいたユリカが段々落ちこむようになって行った
「ユリカさん・・・・」
「ユリカ・・・」
心配そうにユリカを見つめる2人
「ねえ、ルリちゃん、今回は逆行だから、助けられるかもしれない方法は有るけど・・・・・・・・・元の世界でもユートピアコロニー以外に生き残りの人達は居たのかな?」
「それは、解かりません」
「もしかしたら、私達が火星から逃げ出した時から、木連との戦争が終るまでの間に死んじゃった人達も居るのかもしれないね」
暗い表情で話すユリカ
「もし・・・・・元の世界でも火星の生き残りの人の内、見捨てないとならない人が出たんだったら、ルリちゃんはどうしてた?」
「当時の私なら、助けられる人だけは助けて他は見捨てていたでしょうね、単純な引き算で考えて割り切って・・・・・・今は・・・・」
やや間をおき、少し、悩む様子を見せながらもはっきりと答える
「割り切る事は出来ないでしょう・・・・・でも、それでも見捨てます、たとえ誰かから恨まれる事になっても・・・・」
「ルリちゃん・・・・・・・」
何処か複雑な気持ちで、ルリを見つめるユリカ
「割り切る事が出来ないのは、艦長だけじゃない・・皆、割り切る事は出来ないんです、たとえ、その為に自分の身を危険にさらすかもしれないと解かっていても・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「だからこそ、艦長が決断しなければならない、『助けたい』その気持ちはわかります、でも、その為に更に多くの人を殺す事になれば・・元も子も有りません」
「それは・・・・・解かってるけど・・・」
「更に多くの人達を殺す事になれば・・・・・・・・・・・その人達にだって『家族』も『大切な人』も居ます、悲しむ人はもっと増えるんです、そんな人達を増やしたいんですか?」
少しずつ、口調が厳しくなっていく
「私は嫌です、『大切な人』を失う事を知ってしまったから、あんな思いをする人が増えて欲しく無い、『無くす』事は出来ないかもしれない、でもせめて『減らす』事ぐらいはしたい・・・・」
何時の間にか、涙目なっているルリ
アキトとユリカを失ったと思った時の悲しみ・・
今でも夢にみる事が有るのだから
「・・・・・・ごめんなさい、なんだか私らしくもなく冷静さを失ってしまいました・・・あの時の事を思い出すとどうしても・・・・」
とても悲しげなルリの様子
その様子は、アキトの胸を締めつける
そして、ユリカはルリをやさしく抱きしめ、アキトに告げる
「ねえアキトお願いがあるの」
「お願い?」
「うん、ルリちゃんは私達に嫌われる覚悟で、言うべき事を言ってくれた、だから・・・・・・」
「だから?」
「今晩二人っきりにしてあげるから、ルリちゃんに『ご褒美』をあげて」
アキト&ルリ「えっ(汗っ)」
7話その2へ進む
後書き
と言う訳で、次は『逆行者』で有る事を利用した『ジャンプを使った』生き残りの人達の救出作戦の予定です
ちなみに、このSSのアキトはそんなに強くありません
だから、自分から進んでリョーコ達に鍛え直して貰っています
そもそも、逆行して過去の身体に戻っているって事は、ゲームで言えばレベル1からやり直しみたいな物だと思うんで
まあ、以前の記憶がある分、TV初期のアキトよりは強いですが、劇ナデの頃の強さは持っていません
それに、私は劇ナデのアキトもそんなに強いとは思えないし
えっ、そんな事より、ルリちゃんへ『ご褒美』がどうなるかって?
はて、なんの事でしょう?(ニヤリ)
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