このお話、本題は火星以降から始まるんですが、その前に少しだけそれ以前のお話が入ります

今回は、そんな話です

作者さん、TV版第一話→火星脱出辺りまでの話はほとんど書く気ないそうなんですけど

手抜きですか?

 

違います・・・多分(汗)<by作者


瑠璃とルリ

第二話


ナデシコに乗船して、最初の頃

少し、いらつき気味だったルリ

理由は解かっている

『天河明人』

何かとちょっかいをかけて来る、コック兼パイロット

艦長、ミスマルユリカの幼馴染で、食堂勤務の天河瑠璃の夫

『嫌い』・・・・・・・・な訳では無い

なんと言うか・・・・・・なるべく人との関わりを最小限度に止めてきた自分が、アキトが自分にかまって来る事を断れないのだ

なんだか癪に触って、わざとアキトを怒らせるような台詞を言った事すら有る

だが、少し悲しそうな顔をした後すぐに何時ものように・・・

そして、そのアキトの態度にほっとしている自分

もし、アキトが本当に怒ってしまったらと思うと・・

そんな自分が余計に癪に触る

そして、今日もナデシコ食堂へくれば、なんだかんだとアキトの姿を探してしまっている自分にも

 

 

「ここ良いですか?」

「はい、どうぞ」

話しかけてきたのは、天河瑠璃

天河明人の妻、旧姓 二ノ宮瑠璃

 

「どうしたんです、今日は厨房じゃないんですか」

「今日は非番なんです、ホシノさん」

「そうですか」

特に興味は無いという態度のルリ

だが、ルリの瑠璃に対する感情は・・・

瑠璃という名前

自分に似ている容姿

姉妹のようと言われ、気になって調べた事もある

たが、『天河瑠璃』に特に不審な経歴は見つからなかった

遺伝子的にも、瑠璃と自分は血縁関係は無いらしい

「他人の空似なのかな・・・・」

最初はルリもそう思ったのだが、なにか気になる

『感』よりもデータを信用するルリではあるが、データに不審な部分は無い

もっとも、そのデータは瑠璃によって改竄されている、改竄の痕跡すら残さないほど見事に

オモイカネには、事情を素直に話して『お願い』してある

瑠璃にとっては、オモイカネ相手に下手に小細工をするよりも、その方が余程効果的

ルリとて、データの改竄の可能性は考えたが、まさかオモイカネが「お願い」されている事までは気が付かない

だが、そんな事よりももっと瑠璃に対して強く思う事

それは、『天河明人の妻』であるという事

 

「丁度良いから、言っておきたい事があります」

ルリは、瑠璃にきっとした顔で話かける

「なんです?」

「あなたの夫の天河明人さんの事です」

「アキトさんがなにか?」

「あの人、変な趣味でもあるんですか?やけに私を構いますけど」

言ってしまった後で、内心「しまった」と思うルリ

本当は、こんな事を言うつもりは無かった

もっとも、瑠璃に対して自分が本当は何を言いたかったのかも、ルリ自身に解からない

だが

「アキトさんには別に変な趣味はありませんよ」

くすくすと笑いながら、余裕の表情で答える瑠璃

アキトに頼まれていた事もあり、むしろ、この話題をルリの方から振ってくれたのは有り難い

その余裕が癪にさわるルリ

「でも、あの人結構華奢な人が好みみたいですから、瑠璃さんをみていると」

少し嫌味気味に、瑠璃の胸元辺りを見ながら答えるのだが

「アキトさんは、外見だけで女性を選んだりしないだけです」

またも、さらりとかわされてしまう

もっとも

・・・・あなたの未来の姿でもあるんですが(苦笑)・・・

と内心思っても居る瑠璃

「俺は、胸の大きさがどうのこうのじゃなくて、瑠璃が好きなの」

アキトにそう言ってもらえている為余裕である

だが

・・・この子、やっぱりアキトさんの事嫌ってるのかな・・・

ルリの態度を見ているとそう思えてしまう

実際は、ルリがアキトに惹かれ始めているための態度なのだが、なまじ過去の自分を知っているだけに、かえってルリ気持ちが見えない

・・・私はこの頃はまだ、アキトさんの事を、どちらかと言えば嫌っていたかもしれない・・・

瑠璃にはこのイメージがどうしても抜けないのだ

 

(・・勝てない・・この人には・・・・)

ルリはルリで、瑠璃の余裕の態度を見てなんだか沈んでしまう

 

別に天河さんの事なんて・・私には関係無いのに・・・何考えているんだろう・・

そう・・関係無い・・・筈・・勝つも負けるも無い筈・・

 

そんな事を考え少し沈み気味のルリへ対し

「ホシノさんは、アキトさんの事嫌いなんですか?」

「はい?(赤)」

いきなり核心を突く瑠璃の質問

「べっ、別に嫌いな訳じゃありませんっ(赤)」

「でも、アキトさんの事「変な趣味」とか言ってたし、もしかして迷惑なのかなと」

瑠璃としては、アキトがルリに構いすぎて嫌われる事も避けたい

なんでも程々が一番なのは、元の世界のユリカやメグミ達をみて解かっている

「別に迷惑な訳じゃ・・・・」

不安そうな表情で瑠璃を見つめるルリ

もし、瑠璃さんの口から、私が天河さんの事を迷惑に思っているなんて告げられたら

そう考えると急に怖くなってしまう

 

「ん〜、ルリちゃんはアキトの事好きなんじゃないかな」

「えっ(赤)」

いきなり、背後からユリカの声

ユリカはルリの左隣に座り、ルリは瑠璃とユリカに挟まれる格好となる

「なっ、なに言ってるんですか、艦長、テンカワさんには瑠璃さんが(赤)」

ルリはユリカの方を向き、抗議の声をあげるが

「ああ、なるほど、そういう事ですか」

背後からの瑠璃の声

ルリは、怖くなってしまう

認めてしまえば、自分は、瑠璃さんの夫に横恋慕をしている事になる

違う・・・私は・・・そんな・・・

だが

 

「別に好きになるだけなら罪じゃないですよ」

「えっ」

とても、優しげな瑠璃の声

思わず振り向いて瑠璃の顔を見つめてしまうが

・・本当に優しげな笑顔の瑠璃

 

「なに・・・言ってるんですか・・私をからかっているんですか?」

困惑しているルリにたいし

「瑠璃さんは、そんな事で人をからかったりはしないと思うけど」

とユリカ

「ええ、からかったりはしてません」

むしろ、瑠璃は素直に嬉しかったのだ

過去の自分=ルリがアキトの事を好きになってくれていた事が

 

・・・・・今の所は・・・・・・

 

「なっ、何考えているんですか、二人とも(真っ赤)」

「じゃあ、ルリちゃんはアキトの事嫌いなの?」

「それは・・」

とユリカに聞かれ、言葉に詰ってしまうルリ

そんなルリに対して、ユリカは

「ねっ、ルリちゃん、好きと愛してるは別だよ」

「えっ」

「例えば、ユリカはジュン君の事大好きだよ」

「はい」

「でも、ユリカはジュン君の事愛してる訳じゃ無い、最高のお友達だけど」

「あっ・・・・・・」

「だから、ルリちゃんがアキトの事が「好き」でも、なんの問題もない、そうでしょ瑠璃さん?」

「ええ、そうですね」

アオイさん・・・こんな例えに出されるとは・・・・

と、少し哀れに思いつつも、肯定する瑠璃

余談だが、元の世界のジュンはユリカとユキナの事で色々苦労していたらしい

 

「・・・・・・瑠璃さん、怒らないんですか?」

恐々尋ねるルリに対し、瑠璃が答える前にユリカが答える

「瑠璃さんが、そんな事で怒る人だと思ったら、ユリカはこんな話はしないけど」

「ええ、怒ったりしません」

「だからルリちゃん、アキトの事優しいお兄さんでも出来たと思って、甘えちゃいなよ」

「そうですね、それにアキトさんの妹なら、私の妹みたいな物でも有りますし」

 

ユリカと瑠璃にそう言われ、なんだか楽になった気がするルリ

流石に、素直にアキトに甘えるのも恥ずかしい気持ちもあるが

 

この時は、素直に返事が出来なかったルリ

だが、その後のルリの明人への態度は段々と柔らかい物へと変わっていく

 

その後、瑠璃は瑠璃で、思った事がある

もし、元の世界のユリカさんが、このユリカさんだったら・・・

私に勝ち目なんて、欠片もなかったと

 

 


 


あの時は・・・余裕もあったんです

私も、アキトさんに対する気持ちは「優しいお兄さん」に近いモノから始まりました

変に急ぐより、少しずつ少しずつ話を進めて行った方が良いとも思ってましたし

でも・・・・


 


「へえ、ユリカがそんな事を」

瑠璃の話を聞くアキト

「で、ルリちゃんはどう答えたの?」

一番気になっていたいた事を尋ねる

「はっきりと答えてはくれませんでしたけど脈は有ると思います、昔の私は断る時にはっきりと断ってましたから」

「瑠璃は、今でもそうだけど」

少し意地悪を言って見るアキト

もっとも、以前の瑠璃と今の瑠璃では断る理由が違う

以前の瑠璃は、「常に人の事など考えずに」断っていた

今の瑠璃は、相手にもよるが、「相手の事を考えればこそ」 断る事も出来る

その事が解かっていればこそ、意地悪もいう事が出来るのだが

「明人さん、もしかして、だから私よりユリカさんの方が良かったとか思ってません?」

少し不安げな瑠璃

アキトを信用してはいるが、それでも心配なのだ

あのユリカが相手では

元の世界のユリカですら、アキトは『好きだからこそ選べなかった』のだから

そして、そんな不安げな瑠璃の姿は、アキトにはとてもいとおしい

瑠璃は、自分の事を大切に思っていてくれればこそ、そんな風に言ってくれるのだから

「俺は、ユリカの事「好き」だよ、でも、「愛してる」のは瑠璃だから」

照れくさそうにアキト

アキトはこの手の台詞を滅多に言う事はない

だからこそ、その言葉に嘘はない

 

 

第3話

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後書き・・・・・というか言い訳かもしれない(汗)

 

この話、火星以降、 TV版でいえば、第9話辺りから始まるんですがちゃんと理由は有ります

まず、その辺りまではTVと左程展開が変わらない事

もう一つは、ナデシコのSSって、結構、火星辺りで止っちゃってる事が多いんです

TVの1話→火星辺りまでなら、数多くの作者さんが色々なパターンを既に書いてる

少しでも目新しい物をって考えると、むしろ、あまり書かれていない火星以降の話から始めた方が、新鮮味が有って良いかもって考えたんですが、どうでしょう?

 

ちなみに、やりたかさんによると、火星脱出辺りまで書けば、連載が中断しても言い訳が立つらしい

『頑張れ、ユリカさん』も『The fiance of a guinea pig』も、火星辺りまでは書いてるから、連載中断しても言い訳は立つ!!

ましてや、『瑠璃とルリ』なら、いきなり火星以降だからいきなり連載中断してもOK!!

 

なんて理由で連載中断したら怒られそうだな(苦笑)

 

いや、単に行き詰まってるだけなんですけどね、実際は(T_T)

 

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