あったかい・・・・
私は、ただそんな事だけを感じていました
機動戦艦ナデシコ再構成
The fiance of a guinea pig
第25話
アキトにも、何故そんな事をしてしまったのかは解らない
ただ、目の前の少女に何処にも行って欲しくなかった
・・・・が
・・・うっ、うわっ、何をしてるんだ俺は(汗っ)
唐突に気づく、今、自分が何をしているのか
今、抱きしめている相手がそれなりの年齢の女性ならまだしも、ルリはまだ11歳の少女なのだ
それでも、アキトの腕は自分の意に反してルリを離そうとしない
ルリはルリで、頭の中が真っ白になり、今自分が何をされているのか解らない
ただ、アキトの腕の中で、その温もりの心地よさだけは感じていた
ルリを『離せない』アキト
何もかもが解らなくなり、ただ、されるがままのルリ
そのまま、時間だけが過ぎてゆく
そして・・・
「あっ、あのっ、ごめんっ、俺(汗っ)」
ルリの耳元で囁いた、アキトの第一声がそれだった
とはいえ、ルリを抱きしめる腕は離せず・・・流石に、11才の少女相手に、『それ以上』には進めないようではあるが
「・・・・・・」
ルリは無言のまま
抱きしめているアキトには、今、ルリがどんな表情をしているのか見えない
・・・怒らせた?・・・嫌われた?(汗っ)
そう思うと、ますます怖くなり、ルリの顔を見る事が出来ない
それ故、悪い方向への想像ばかりが、頭の中に広がっていく
だが、そう思うとますすまルリが離せなくなってしまう、離してしまえば逃げられてしまうような気がして
「あの・・・腕を離してください・・・(赤)」
ようやっと、正気に戻り始めるルリ
「あっ、ごっごめんっ、俺なんて事を(汗っ)」
慌てて、ルリを離すアキト
「あっ・・(赤)」
本当に開放され、名残惜しそうなルリではあったが、動転しているアキトは気づかない
今のアキトの心の中を占めているのは、ルリに嫌われたかもしれないという恐怖心
「あの・・私、怒ってませんから・・・」
だが、アキトにはそうは思えない
「だから、その・・・・・今回の事は・・忘れましょう・・・(赤)」
「忘れる・・・・・ごめん、忘れたいほど嫌な思いをさせてたなんてっ(汗)」
アキトは完全に勘違いをしてしまい、土下座をしてルリにぺこぺこと謝り始める
その後『テンカワルリ』は、当時を振り返りこう語っている
「あの時のアキトさんの姿は、忘れようとしても忘れられません(笑)」
そして、夫のテンカワアキトはといえば
「ルリ、お願いだから、忘れてくれ(汗)」
とはいえ、そんな風になれるのは、それが過ぎ去った過去の話だからであって、『今現在の当事者』である二人に、そんな余裕はない
二人はお互いに必死だった
アキトはルリに嫌われないように、ルリは怒ってはいないし嫌ってはいないという事を、なんとかアキトに納得してもらおうとして
故に、お互いに愛の告白同然の言葉を並べ立てても、今は、かえってその事に気づかないのである
・・・惜しい事をしたものだ(苦笑)
そして、朝、今日も「二人揃って、寝不足です」という顔の二人
パイロットとオペレーターという重要な役割の二人揃って二日連続でその調子では、ユリカとしては、『艦長として』問い詰めざるえない
ちなみに、ナデシコの中でアキトとルリに最初に会ったのはユリカであり、他のクルー達には、まだ二人の様子は知られていない、ユリカもやはり心配だったようで、つい様子を見に来てしまったのだ
「アキト・・・・ルリちゃんと何かあったの?」
「いっ、いやその・・・(汗っ)」
ルリの方は、「当直でしたから」で済むがアキトの方は・・・しかも、今回は思いきり後ろめたい事がある
「ルリちゃん、アキトと何かあったの?」
「・・・・(赤)」
何か有ったと言えば有ったし、何も無かったといえば無かった
ルリにとっては二人の仲は、むしろ後退したような気がしていたぐらいだ
「・・・・駄目だよアキト・・・・プライベートの事に口を挟みたくないけど・・・ルリちゃんをちゃんと眠らせてあげないと・・・」
ユリカは、涙をこらえつつ、『艦長として』二人に注意をする
むろん、『女として』の嫉妬心有るが、それを出来る限り抑えて
・・・やっぱり、見に来るんじゃなかった・・・
後悔を心の中に抱えながら・・・
もっとも、もし、二人がユリカの想像通りの事をしていたなら、『犯罪』であって、ユリカは、アキトをそれなりの場所に突き出すべきなのではあるが、今のユリカにはそこまで頭が回らない
「あの・・艦長・・何を想像しているかは概ね想像出来ますけど・・艦長が想像しているような事は無かったですから(赤)」
ともかく、そういう誤解だけは解いておこうとするルリ、実際に、そんな事をしていたならアキトは犯罪者であって捕まってしまう、それだけは避けたい、ルリの方がそういう部分では、多少は冷静さが残っていたようだ・・が
・・・信用してもらえないですよね、これじゃあ・・・
ルリは、半分諦めていた
ところが
「えっ本当!!」
急に表情が輝いたユリカは、アキトの手を両手で握り締め
「ほんと?、本当なの?、まだユリカにチャンスはあるの?、アキト!!」
「あっ、ああ(汗)」
勢いに押され、つい生返事をしてしまったアキト
「よしっ、まだチャンスはあるんだっ、頑張るぞっ、おお〜〜〜!!」
拳を握り締め、自らに気合を入れなおすユリカ
ユリカの豹変ぶりにあっけにとられるアキト
が、すぐに気づく、今自分が生返事をしてしまった事をルリにどんな風に取られるか?
・・・やぱい(汗)・・・
恐る恐る、ルリの顔色を伺おうとするアキトだったが、それよりも先に
「ルリちゃん、ユリカまだ負けないからね」
「はっ、はいっ」
ユリカの勢いに、ついそう答えてしまったルリ
ルリもまた、あっけに取られていて、そこまで頭が回らなかったらしい
正直、少しほっとするアキト
「ユリカ〜〜」
そんな時、コミュニケからユリカへ呼び出しがかかる
「あっ、ごめんジュン君、すぐ戻るから」
なにやら、うきうきとしながらブリッジへ戻っていくユリカ、そんな後姿を見送りながら
「なんか・・・艦長見てると悩んでいるのが馬鹿らしくなってきます・・(汗)」
「あっ、あはは・・(汗)」
アキトは、乾いた笑いで答える事しか出来なかった
とはいえ、ユリカ相手にはなんとかなったが、他のクルー達にはそうも行かず・・・アキト=ロリコンの悪評はますます強くなってしまうのだが
ナデシコで何があろうと関係なく、苦労している人達は苦労している
「火薬でも使えればなんとかなるかもしれないんですけどね」
「使えば木星トカゲどもを呼び寄せる、仕方ないだろ」
ユートピアコロニー地下の部隊は、ある扉の事で苦労していた
いざと言う時の為に地下に備蓄された食糧、だが、備蓄している倉庫の扉を開ける事が出来ない、もし、この倉庫の扉を開ける事が出来ていれば、どれだけの人が餓死せずにすんでいたか
悔しそうに語っていた、火星の生き残りの人達
なんとかあの扉を開ける事は出来ないのか?
ここに残る人達の命の為にも、この扉はどうしても開けておきたい
が、地下にシェルターとして作られた施設の扉はともかく頑丈で人力で破壊出来るようなシロモノではない
「あの扉のカギ、誰が持ってるんでしょう?」
「一応、ここの管理者が居たはずだが・・・・木星トカゲ来襲の混乱でなにがなんだか解らなくなっちまってるから、死んでいるやら生きているやら」
今、部隊のメンバー達はなんとか扉を開ける方法はないかと、手分けして探索を行っていた、とはいえ、それは既に火星の生き残りの人達もやってきた事であり、今更同じ事をしたとしても望みは薄かったが、だからといって何もやらない訳にはいかない
たとえほんの僅かな可能性だとしても
「地道に探すしかないか・・・・あの電子ロックが外せれば良いんですが・・・・」
「電子ロック・・・そういえば、あの娘、ホシノルリっていったっけ、ナデシコのオペレーター、あの娘なら、電子ロックを外せるかな?」
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アキト君、犯罪者一歩手前・・・
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