テンカワさんが艦長を選ぶなら、それはテンカワさんが艦長の事を好きになったから・・・
でも、私は・・・
私を選んでくれたとしても、それは「私がネルガルのモルモット」だから・・・
どうしたんだろう、私・・・
そんな事は初めから解っていた筈・・・・
・・・・・・サツキミドリ2号での話、まだ続いたりします
機動戦艦ナデシコ再構成
The fiance of a guinea pig
第10話
さて、前回、気晴らしにアキトとコロニー内を回ってくる事を断ったルリなのだが、
今は、ミナトといろいろ回っている
エステの格納庫でアキトと話した後、そのまま通信室に来たミナトに連れ出された
ミナトとしても、気の抜き方を教えてあげるようにユリカに言われている
なんだかんだと言っても、ミナトもルリの事が好きなのだ
ちなみに、今は
アキトとイズミ
イズミとヤマダジロウ
ヤマダジロウとヒカル
ヒカルとリョーコ
のローテーションのうち白字の所辺りの時間
長期滞在が前提のサツキミドリ2号コロニーでは、宗教施設や娯楽がナデシコよりは充実している
そんな場所を幾つか回り
「く〜ま、く〜ま、く〜ま、くま」
「ミナトさんなんですアレ?」
「いっ、いや、私にも良く解らないけど・・・・(汗)」
なんでも、「くま教」なる宗教で、サツキミドリ2号の中では結構な勢力を保っているらしい
「ミナトさん、この宗教も聞いた事有りませんけど」
なにか、嫌なモノを感じたミナト
「だっ、駄目よ、ここには近づいちゃルリルリは特に(汗)」
等と色々と回っていく
「でも、私の知らない宗教や風習も結構あったんですね、研究所では語学だけじゃなくて世界各国の宗教の事も色々習ったんですけど」
「語学はまだ解るけど宗教まで?」
「ええ、宗教絡みの戦争も多いですから、ある程度は学んでおかないと」
「成る程、そういう事か」
「でも、ルリルリ、あなた娯楽施設とかにはあんまり興味が無いみたいだけど?それに、ナデシコで暇つぶしにゲームをやってる時も、なんか楽しそうには見えないし」
「楽しそうに見えませんか?」
「でも、ルリルリが凄く良い表情で笑う時も有るんだけどね」
「私が?」
「アキト君絡みの時」
「えっ(赤)」
「ほら、赤くなった(ニヤリ)」
ブリッジでは、アキトから報告をユリカが纏めていた
とは言っても、特に異常が無かった以上、左程纏める事も無いのだが
「とりあえず、コロニー周辺に敵影は確認できずと・・そうだ、アキト一寸聞きたい事が有るんだけど」
「聞きたい事?」
「イズミさんの駄洒落ってどうだった?」
「はっ?」
「最初に警戒から戻ってきたリョーコさんに、『テンカワの奴、イズミの駄洒落で固まってなきゃいいが』とか言ってたんで」
「いっ、いや、別に普通に話してたけど?(汗)」
「う〜ん、おかしいなあ、リョーコさんがアイツは時と場所を選ばず駄洒落で回りを凍りつかせる奴だって言ってたんだけど」
「マキ・イズミさんって、そういう人なの?(汗)」
「あっ、でもエステ同士の会話は全部こっちでモニターしてるから、アキトが聞いてないんじゃ、こっちで聞いてる訳無いか」
などと話していると
「うわははっ、」
いきなり、通信室のスピーカーから入ってくる、、イズミの寒いギャグで受けまくっているヤマダジロウの声
やはり、彼の感性は普通の人と少し違うらしい(汗)
そして・・・・
「・・・・(が〜〜〜〜〜ん)」
実はショックを受け、傷ついたイズミ
どうも、駄洒落が大うけしてしまったのがショックだったらしく・・・・
イズミの感性も人とは違うようで・・・・
さて、場面は元に戻り、ルリとミナトの会話
「ねえ、ルリルリ、アキト君が本当に艦長を選んじゃったらどうするの?」
「仕方がありません、それはテンカワさんの気持ち次第ですから」
と言いつつも、今回のルリの顔は複雑そうだ
以前は、なんの感慨も無く言う事が出来た言葉
「・・・その顔みると、やっぱり、ルリルリも痩せ我慢してたんだ、安心したな」
「安心って?」
「最初ね、なんかおかしいと思ったのよ、普通ならもう婚約までしている女の子が恋敵に塩を送るようなマネはしない」
「それは・・」
「いくら、「テンカワさんの為」って言ってもね、そんなに簡単に割れ切れるモノなんかじゃない・・もしかしたら訳有りなんじゃないか?、ルリルリはアキト君との婚約を嫌っていて、アキト君が艦長に惹かれてくれればルリルリとの婚約を解消してくれるんじゃないか?そんな風に考えたんじゃないかって」
「そんな事は無いです、私はテンカワさんの事嫌いじゃ有りません」
即答するルリ
それに今は・・
「ルリルリの様子みてれば解るわよ、それとね、艦長も随分痩せ我慢してるんだよね」
「艦長が?」
「うん、本当はルリルリとアキト君の仲が心配で仕方が無くてそわそわしてる時なんてしょっちゅうあるけど、艦長はそれでも艦長として振舞ってる、たいしたモノだと思わない?」
「・・・そうですね・・」
ルリにも今なら解る
「あたしね、もし、ルリルリとアキト君の婚約が訳有りでアキト君との婚約を嫌っているなら艦長の応援するつもりだった」
「でも、ルリルリが本当にアキト君の事が好きならルリルリの応援をする気だったし・・大体、本来なら、アキト君にはルリルリって言う婚約者がいるし、艦長は諦めるべきなんだから」
「・・・・今は、どうするんですか?」
不安そうなルリ
「今は中立、艦長の為にもルリルリの為にも」
「私の為にも?」
「アキト君にも言ってあるの、『もし、どちらかを選ぶ時には、はっきりと振ってあげて欲しい』ってね、もし、ルリルリがアキト君に振られたら、あたしの事恨む?」
「それは・・仕方が有りません・・それに・・」
「それに?」
「そこで、ミナトさんの事を恨むようなら・・・艦長に勝てないような気がします・・・・」
「手ごわいわよ、今の艦長は、ルリルリの事を見習う前なら、勝手に自滅してたかもしれないけどね、アキト君の気持ちも考えずに追い回して嫌われて」
ルリは内心思う
あの頃と、今とは違う
自分の気持ちを持て余している今の状態は、ユリカに近くなっている
あの、初めの頃会ったばかりの、艦を危険に晒しかねないように思えたユリカに
そして、艦を危険に晒すと言う事は・・・・アキトを危険に晒す事でも有るのだ
アキトに対して強くなっていく気持ち・・・
そして、「戦争」の中でアキトを守る事
ルリの人生の中で今までで一番難しい問題
そして、その後、ルリは有る結論を出してしまう
私はテンカワさんの事をこれ以上好きになってはいけない・・・と
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後書き
今回、ちと暗いですかね?
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