ごめんなさい、艦長にテンカワさん

私はちゃんと復帰しました

さて、今日はとうとう火星に向けて出航する日

ネルガルの方でも、軍との交渉には相当苦労したみたいですけど

結局、最後はお金がモノを言ったようです


機動戦艦ナデシコ再構成

The fiance of a guinea pig

第9話


「地球引力圏脱出速度は、秒速11.2km、コレがどのくらいの速度かと言うと、ライフルの銃弾の初速が、約秒速500m、その約22倍の速度」

「うわっ、そうやって説明されるとナデシコって随分早いんだ、でも、全然そう言うの感じないねルリちゃん」

「最新鋭の戦艦ともなれば重力制御もしっかりしてますから」

雑談をしながらのブリッジ

「ちなみに、このくらいの速度で事故を起すと、『痛い』と思う暇も無く死ぬから、注意してね〜〜」

「それは操舵士のミナトさんに気を付けてもらう事では?」

たわいの無いお喋りを交わしながらの引力圏脱出

ナデシコの次に向かう場所は、サツキミドリ2号

しかし、盛り上がりの無い話だねえ(苦笑)

 


 


 

「スバル・リョーコ以下3名、ナデシコに着任」

「艦長のミスマル・ユリカです」

サツキミドリ2号にて、リョーコ、ヒカル、イズミのパイロット3人と0G戦フレーム5機を補充し、ナデシコの補給と整備

ナデシコは地球で最初の相転移エンジン搭載艦

まだ、実戦でのデータは多くは無い

ナデシコにダメージか有る訳でも無いが、用心に越した事は無い

これから先は、本格的な整備の出来る場所は地球に戻ってくるまで無いのだから

ナデシコはここで約24時間の間、整備と補給に追われる

とは言え、補給作業の方は左程時間はかからない

問題は整備の方

『何も無い』としても、『何も無い』なりに定期的な整備をしておく事が大事なのは、この時代の戦艦も20世紀末の車も変わらない

ただ、問題が無い訳でも無い

どんな優れた戦艦でも、整備中は無防備になる・・・・・

ユリカも伊達に艦長に選ばれた訳では無い、コロニーに入港する前に、周辺の索敵はしてある

とはいえ、精々半日程度の安全が確認できる程度でしかない

残り半日は・・・

 


 


「では、早速で悪いですが、訓練を兼ねて、サツキミドリ2号周辺の警戒をお願いします」

「はいよ」

「了解」

とりあえず、リョーコとアキトの二人が0G戦フレームで出る

この後、一人ずつ交代していき、

アキトとイズミ

イズミとヤマダジロウ

ヤマダジロウとヒカル

ヒカルとリョーコ

 

というローテーションを組み周辺の警戒

0G戦フレームのテストや、パイロットそれぞれの腕を見ておくという理由もある

「艦長も慎重だよな、テンカワの幼馴染なんだろ?」

警戒任務に当りながら、コミュニュケでの通信

「幼馴染って言っても、随分昔に別れたきりだけどね、御互いにナデシコに乗るまで忘れてたぐらいの」

「でも、中々しっかりとした艦長じゃないか」

「えっ・・・」

どうも、出合ったばかりのリョーコにはそう見えるらしい・・・・

アキトやルリ辺りは、結構中身を知っているので素直に返事が出来なかったりもする(苦笑)

「まっ、まあ、仮にも艦長に選ばれるぐらいだし(汗)」

11歳の少女に諭されているって時点で、問題多いと思うぞ、作者は(苦笑)

「でも、それよりもっと気になる事が有るんだか・・・・・聞いていいか、テンカワ?」

「・・答えられる事なら・・」

なんだか嫌な予感がしてくる

「お前・・・・ホシノ・ルリと婚約してるんだって、まだ11歳の」

「うっ(汗)」

アキトにとっては1番答えずらい質問・・・

「・・・なあ、お前・・・訳有りなのか?、それともそっち方面の趣味なのか?(汗)」

リョーコは普段なら人の事を詮索するような性格でも無いのだが、流石にたった半日程の間に、何度か聞いた「11歳の少女との婚約」についてはおかしな物を感じたらしい

「いっ、いや、それは(汗)」

まさか、「ルリがネルガルのモルモットだから」等と言えはしない・・

今はまだ・・・

「リョーコさん、プライバシーの侵害ですよ」

突然、コミュニケにルリからの通信が入る

「あっ、ごめん、つい気になったんで(汗)」

ルリからの注意で、以後その話は途切れた・・・・

 


 


サツキミドリ2号の通信室で、少し不機嫌そうなルリ、もっとも、普段無表情に近いので、解らない人には解らないだろうが

整備の為に、ナデシコのクルー達は一度降りていて、ユリカ、ルリ、ジュン、メグミの4人は通信室で交代しながら仕事中である

 

「へ〜〜、どっかで聞いた声だと思ったら、あの声優のメグミさんだったんだ」

「あっ、わかってくれる人が居たんですね、嬉しいなあ」

 

サツキミドリ2号の通信室の人達とのたわいの無いおしゃべりをしているメグミ

 

「ルリちゃん、どうしたの?」

ルリの不機嫌そうな様子に話しかけてくるユリカ

「いえ、・・・何でも無いです・・・」

ルリにも何故今自分が不機嫌なのか解らない

少し前になら、自分とアキトの婚約の事を詮索されても別になんとも思いはしなかった・・

「プライバシーの侵害です」とでも答えておきさえすれば良かったのだから

でも今は・・

なんだか、詮索されると「アキトの婚約者」の位置が壊れそうな気がするのだ・・

(・・・・何考えてるんだろ・・・・テンカワさんは『遺伝子提供者』でしかないのに・・・・・・)

 

 

 

そして、一緒に居るというのにやっぱり影の薄いジュン・・

(ううっ、僕の台詞って、一体何時になったら・・・・・(T_T))

 

 


 


「ルリちゃん、アキトが帰ってきたら、気晴らしにコロニーの中でも回ってきなよ」

「えっ、でも仕事が」

「んっ大丈夫だから、それともユリカそんなに信頼無い?」

「・・・いえ・」

一瞬、「無いです」とはっきりと答えそうになったルリだが、最近のユリカはしっかりとしてきているのも一面の事実

むしろ、自分の方がしっかりしないと思う事もあったばかり

それだけに余計にユリカの提案を受け入れる訳に行かない

「いえ、テンカワさんはこの後もエステのパイロットとしてやらなければならない事も多いでしょうから、余計な負担をかける訳には」

「・・そっか、流石はルリちゃん、アキトの事ちゃんと考えてるよね♪」

ズキッ

心が痛む・・・・・

ルリは「自分の為」に言ったのだ・・・

「テンカワさんの為」になんて・・・・・・

 


 


周辺の警戒も終り、アキトが帰還

待っていたのは、ミナトだった

「アキト君、一寸頼みがあるんだけど」

「なんです?」

「んっ、ルリルリと艦長の事でね」

「・・・・(汗っ)」

アキトとしてはあまり触れられたく無い話題である

「あっ、大丈夫よ、私は中立だからアキト君が最終的にどっちを選ぼうと何も言う気は無いし・・・、でもね一つだけ言っておきたい事が有るの」

「なんです?」

「ルリルリも艦長も、アキト君の事で険悪になっても良いのに、二人とも結構仲良くしてる・・・これがどれだけ大変な事かわかる?」

「それは・・・」

アキト一瞬言いそうになる・・・

「ルリちゃんは恋愛感情とか持っていないから、そうなっているんだ」・・と

アキトは気がついていない

ルリの気持ちが少しずつ変ってきている事に

『自分が』ルリを変えていっている事に

「だからね、・・・・・ううん、だからこそ、どっちか一人を選ぶ時は、はっきりとふってあげて欲しいの、何時までもずるずるとって1番残酷だから・・」

ミナトには昔何かあったのかもしれない・・

何処か昔を思いだすかのような表情

「はい」

はっきりと答えるアキト

 

そしてもう一つアキトが気がついていない事がある

「ネルガルを騙す」為に「婚約者として振舞う」筈が、「ルリを選ぶ」自分になんの違和感も感じなくなっている事を

 

 

 

 

 

実はアキト自身も忘れているのだか・・・

一度はっきりとユリカをふっていたりする

ユリカにたいして「自分には婚約者がいる」といっているのだ

さて、アキトはユリカを二度ふる事は出来るのでしょうか?(苦笑)

 

 

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後書き

サツキミドリ2号の話で前から疑問に思ってたんだけど、

なんで、襲撃されるまで気がつかなかったんだ?

ナデシコにだって、サツキミドリ2号にだって、レーダーぐらいあるだろうに・・



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