駄目ですね私も

確かに、『仕事に夢中になって』と『妄想に夢中になって』じゃ違うと言われるかもしれませんけど

でも、もし、あの時に敵の襲撃があれば、どっちの理由だとしても、やっぱり対処は遅れていた

オモイカネの自動迎撃システムが有るから、ナデシコ自体が致命的なダメージを受ける可能性は少ないかもしれないけど、

パンジーやクロッカスのような救援要請が有った時には、やっばり、『人』の判断が必要になるんだから

でも・・・・・

ブリッジクルー用の、シミュレーションのプログラムを早く組み上げたいのも事実

どっちも、『ナデシコを守る』為には重要な仕事だし・・


 

機動戦艦ナデシコ再構成

The fiance of a guinea pig

第8話


「ルリちゃん、ごめんね、ユリカがもっとしっかりしてれば・・・・」

泣きそうな顔のユリカ

「いえ、気にしないで下さい、私の自己管理能力が低かっただけです」

あの後、ルリは無理をしすぎて高熱を出して倒れてしまったのだ

仕事中は、警戒を怠る訳にも行かず、仕事が終わってからプログラムを組み、ろくに休みも取らずに短期間でシミュレーションを完成

だが、完成した途端に今までの疲れが一気に出たのだろう

考えてみれば、ルリはまだ11歳の少女なのだから

 

「今日は、ルリちゃんお休みにしておくから・・・それと・・」

「アキトにも休むように言っておくから、たまにはアキトに甘えちゃいなよ」

「えっ(赤)」

「ルリちゃんいっつも真面目だから、たまには気を抜かないと」

「でも、テンカワさんにだって自分の仕事が・・・」

「ねえ、ルリちゃん,ユリカは別にルリちゃんの為だけに言ってる訳じゃ無いんだよ」

「ルリちゃんみたいに、無理をしすぎていざと言うとき倒れちゃったら、クルーのみんなに迷惑をかけるのは解るよね?」

「・・・はい、すいません」

「ルリちゃんは、ナデシコで唯一のオペレーターで変わりなんて居ない、もし、今木星トカゲの襲撃があればユリカはルリちゃん引っ張り出してでもルリちゃんの力を頼らないといけない、それも解るよね?」

「はい・・」

「でも、体調が万全じゃないルリちゃは思わぬミスを犯してしまうかもしれない、ユリカはそれでもルリちゃんの事を頼らないといけない」

「・・・・・」

「今、ユリカが1番ルリちゃんにやって欲しい事は、ちゃんと身体を休めて、早く仕事に復帰してくれる事、解るよね?」

「はい・・でも・・・だったら一人で寝てますから・・ただの疲労だし、テンカワさんの負担になる訳には」

「アキトにルリちゃんの看病してもらうのは、ルリちゃんにはアキトが1番の薬だからだよ」

「・・・・そんな・・事は・・(赤)」

「それにね、ルリちゃんがちゃんとプログラムを完成してくれたご褒美でもあるんだ、どうする?」

「私は・・・・」

 


 


「ごめん、俺、ルリちゃんが無理してる事に気が付いてあげられなくて」

「いえ、気にしないで下さい」

 

結局、誘惑に負けてしまったルリ

今は素直にアキトの看病を受けている

 

「ユリカにも、ホウメイさんにも怒られたんだ、一緒に暮らしてるのに気が付いてあげないと駄目だろうって」

「仕方ないですよ、テンカワさんに心配かけないように、テンカワさんが眠ってから行動してましたから」

 

最近のルリは自分でも自分の事がおかしいと思っている

やけに、アキトに気を使って行動してしまうのだ

その事が余計にルリに無理をさせてしまったのだが

 

「でも、最近ルリちゃんがなんだか疲れているような顔はしてたんだから・・・やっばり俺が気付いてあげないと行けなかったんだ」

「私・・・そんな顔してました?」

自分では気が付かなかった・・・

「ごめんなさい、テンカワさんにまで心配かけて」

「ルリちゃんが謝る事はないよ、俺が気が付いてあげられなかった事が悪いんだから」

「そんな事は・・・」

 

 

 

「あの・・テンカワさん、変な事聞いて良いですか」

「変な事?」

「はい、笑わないで聞いて欲しいんですが」

「大丈夫、笑わないよ」

「じゃあ・・思いきって言いますけど・・・・『甘える』ってどうすれば良いんですか?」

「えっ」

「ごめんなさい、やっぱり、変な事聞いちゃったですよね」

「艦長に言われたんです、『たまにはテンカワさんに甘えろ』って・・・でも・・・・」

「私・・・ずっと、『道具』として育てられてきたから・・どうしていいのか解らないんです」

「ルリちゃん・・・」

悲しそうな目でルリを見つめるアキト

そう言えば、この子はそういう子だったんだ・・・

 


 


「艦長、なにそわそわしてるのかな〜」

ブリッジでは、ミナトが意地悪そうにユリカに尋ねている

「いっ、いやなんでもないよっ(汗っ)」

「そんな事言って、アキト君とルリルリの事が気になって仕方が無いんでしょう」

「だっ、だって、私がアキトとルリちゃんを一緒に居るようにって言ったんだし・・」

実は結構後悔しているユリカ

「艦長ともなると、やせ我慢も大変よね〜〜」

 

 


 


「そう言う時は、ルリちゃんが1番して欲しい事を言えば良いんだよ」

「1番して欲しい事ですか?」

「そう、1番して欲しい事、俺が出来る事ならなんでも聞いてあげるから」

「私が1番して欲しい事・・・・・」

色々と考えてみる

だが結局は浮かばなかった

ルリは今まで、『何も望まずに』生きてきたのだから

それでも今までとの違いは有る

確かに今のルリは何も望んでは居ない

それでも、『失いたく無いもの』が間違いなく出来始めていた・・

 


 


「ルリちゃんが倒れちゃったのは、ユリカの責任も有るから・・・もっとしっかりしていれば、ルリちゃんだってあんなに無理はしなかったのかもしれないし・・・」

「ルリルリは生真面目な所が有るから、もっと、気の抜き方を覚えた方が良いんだけどね」

「ミナトさん、ルリちゃんの事お願いします、その辺りの事はユリカよりミナトさんの方が得意そうだし」

「了解、でも、艦長も良く自分の恋敵をそんな風に心配出来るよねえ」

呆れ気味のミナト

「ん〜、ユリカもルリちゃんの事なんだかんだと好きだし・・・」

 


 


結局、ルリがアキトに望んだ事は、今日1日一緒に居てくれる事だけだった

アキトは、ルリは自分の事を信頼してくれていないのかと少し寂しく感じたりもしたが・・

ルリの心の中ではアキトに対する信頼は増していた・・

 

3日後には、ナデシコは火星に向けて出航である

 

次の話へ

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後書き

一寸、ルリとアキトの仲の進展が早すぎるかも

もう少し抑えるか 

 



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