不思議と落ち着きますね、ここは

でも、テンカワさん、困るみたいですし・・・・

そうだ、

昨日みたいに、テンカワさんが眠ってから潜り込んで、テンカワさんが起きる前に抜け出せば・・・・

・・・・でも、そう言うの嫌がるかな・・・・

少し早く起きたルリは、アキトのベッドの中でそんな事を考えていた


機動戦艦ナデシコ再構成

The fiance of a guinea pig

第6話


「え〜と(赤)」

夕べ何が有ったかを知らないアキトは、ユリカの寝姿を見て困っていた

何せ、寝相が悪いユリカ

なんと言うか・・・・少々・・というかかなり目のやり場に困る状態になっている

胸元ははだけているし、スカートは・・・・

だが、目のやり場に困りつつも、見てしまうのが漢と言うモノ

 

「テンカワさん、ユリカさんの事襲っちゃ駄目ですよ」

「うわっ、ルリちゃんっ(汗っ)」

思わずユリカの姿に見入っていた、アキトの背後からルリの声

「ちっ、違うんだ、これは、そのっ(汗っ)」

まるで、浮気現場を抑えられた男のよう

「一寸、安心しました、テンカワさんってノーマルな男の人みたいですから」

「えっ(汗)」

「だって、ちゃんとユリカさんにはそういう気持ちを持てるみたいですし、だったら、私みたいな子供は安心ですね(くすっ)」

「いっ、いやっ・・・(赤)」

「それでですね、一寸御願いが有るんです」

 

そして、ルリは全ての事を話す

一寸前まで、アキトのベッドに潜り込んでいた事まで

 

「・・ユリカの奴、そんな事を・・・」

少し呆れ気味のアキト

「本気で死ぬかと思いました、それでですね、もしまたユリカさんが泊まりたいって言った時には、すいませんが、テンカワさんのベットに潜り込ませてもらえませんか?」

「うっ、それは・・・(汗)」

「私、テンカワさんの事、信用してますから(赤)」

少し頬を赤らめ、お願いするルリ

『信用を裏切って欲しい』と思うようになるのは、まだ先の話(笑)

 

そして、アキトとしても、こんな理由なら断り難い・・・・

 

実は、ユリカを泊めない用にすれば良いのだが・・・・何故か、それを言いたくなかったルリ・・・

結局、アキトが折れる事になってしまう・・・・

二人がそんな会話をしている横で、幸せそうに眠っているユリカ

 


 


さて、ユリカをおこして(アキトには起し難いんで、ルリが起こした)朝食

ナデシコの食堂に3人で向かったのだが・・

食堂には向かわず、自販機のジャンクフードで済まそうとするルリ

「ルリちゃん、別に時間が無い訳じゃ無いんだから、食堂に行けば?」

ここ数日、一緒に住むようになったアキトだが、ルリが朝食を食堂で取った事の無い事を不思議に思っていた

最初は、オペレーターのルリには時間が無い為かと思っていたのだが

「いえ、私はこれが好きですし、それに、ご飯や麺類が苦手なんです」

「ご飯や麺類って(汗)・・・・それじゃあ、今までもずっと?」

「ええ」

「え〜〜、駄目だよルリちゃん、ちゃんと食べないと大きくなれないよ〜」

心配そうなユリカ

「栄養のバランスって意味では問題ありませんけど」

「でも、駄目だよ、ルリちゃん一緒に食堂行って、ご飯食べよう」

結局、強引にルリを食堂に引張っていくユリカ・・・・

 


 


食堂での食事は、ルリにとってそれほど不快な物でもなかった

ご飯類や麺類が苦手と言っても食べられない訳ではない

だか、それ以上に感じたモノもある

「こうやって、一緒に食事をするのはなんだか楽しい・・」

 

「そういえば、元はコックだったんですね、テンカワさん」

「半人前だったけどね・・」

「ナデシコではやらないんですか?」

「バイロットとしても、コックとしても、またまだ、半人前だから・・・・・今の俺がコックをやる訳には行かないよ、先ず、パイロットとしてしっかりしないと」

とは言いつつも、アキトは少し寂しそうに見える

ルリは、アキトにはあまりそんな顔はしてもらいたく無い、と思うようになり始めている

そして、そんな話を続けている内に、ユリカは、

「よしっ」

なにやら、決意した表情で、ユリカが厨房の方に向かっていく

「・・・・?」×2

怪訝な表情の二人

 

そして・・・・しばらくして

 

厨房から出て来る、ユリカと厨房の責任者ホウメイさん

「あんた、コックがやりたいんだって?」

「えっ」

ユリカはホウメイさんに、アキトをナデシコ食堂で雇ってもらえるように頼んで来たらしい

「ゆっユリカっ、なんでっ」

「ほら、アキトはコックさんが出来て、料理が上手くなるし、ルリちゃんに美味しいもの沢山作ってあげれば、ルリちゃんの偏食も治るし♪」

「おっ、おいっユリカそんな勝手な事を(汗っ)」

「テンカワ・・とか言ったっけ、あんた自身の意思はどうなんだい?」

「えっ」

「あんたの意思、コックがやりたいのかい、やりたくないのかい?」

「俺は・・・・」

「どっちなんだい?」

「俺がやりたいのは・・・コックです・・・・・でも、今やるべき事はバイロットです・・・・」

はっきりと答えるが、それとは裏腹の辛そうな顔

 

「・・・なるほど、艦長が心配する訳だ」

「えっ」

「・・ねえ、アキト、無理してない?」

「無理?」

「うん、ユリカもルリちゃんみたいにアキトの事を考えて見たの・・・・今の、アキトって凄く辛そうに見える・・・・ううん、今だけじゃない、時々アキトって何もかも自分一人で背負おうとして潰れちゃいそうに見える・・・」

「それは・・・・・・・・そんな事は・・・な・・い・・・」

だが、その後の言葉に詰ってしまうアキト

「アキトと再会したの、ここ数日ぐらいだけど・・・・・・でも、たったそれだけの間にアキトの辛そうな顔何度も見てる・・・ルリちゃんに、もっとしっかりするように言われるまで、気が付かなかったけど・・」

「・・・・・・・」

「だから、コックさんやろうよアキト、今のアキト凄くコックさんやりたそうだったもん」

「けど・・俺にはパイロットの任務が・・・」

「あんた、思い詰めるタイプだろ」

「それは・・・・」

「あんたみたいなタイプはね、パイロットに専念するより、他にも目を向けたほうが死に難いんだ、あんたがコックをやりたいならやった方が良いね」

「うっ・・・」

「だったら、決まりですね」

今まで、会話に加わらずにいたルリが加わる

「テンカワさんに、婚約者の私を置いて逝かれても困りますし・・・私も、テンカワさんの料理って食べてみたいですし・・」

 

実は、ルリはユリカ達の会話を聞いて、複雑な心境になっていた

アキトの『無理』の一つは、自分のような『子供』との婚約・・・

私は、今の艦長のように、テンカワさんの事を考えてた訳じゃ無い

あくまで、ナデシコを守る為

ナデシコのオペレーターである、私を守る為・・・

それが悪いとは思わない

結果的には、ナデシコのクルーもテンカワさんの事だって守る事にもなるんだから・・

でも・・・・

テンカワさんの心まで守ろうとしては居なかった・・・

 

『アキトの為に』行動したユリカに対して感じたモノは・・・

艦長が、テンカワさんの事を考えてくれてる事が、一寸、嬉しくて・・・

一寸羨ましくて・・・・

一寸悔しくて・・・・

そして、ルリの気持ちはまた少し変化していく・・・

 

アキトはしばらく考えこんでいたが・・・

 

「・・・俺まだ半人前の見習ですけど、良いんですか?」

「構わないさ、男手は貴重だしね」

「解りました、これからよろしくお願いします」

少し、照れくさそうなアキト

だか、ルリにとっては、本当に嬉しそうなアキトの笑顔を見た事はこれが最初だった

 

次の話へ

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後書き

どうも、繋がりが悪いかなあ

こう言うユリカって、手強いと思いません?

あえて、『修羅場にならない』アキト争奪戦ってモノを書いてみたり(笑)



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