ナデシコを降り、芸能活動に忙しいメグミ・レイナードに、最近気になる相手が出来た
問題は、その相手は他の女性にも好かれているらしいと言う事
ナデシコでのアキトと別れた失敗を繰り返したくないメグミ
アキトと別れた後ユリカとアキトがくっつく物だと思っていたのだが意外にも最終的なアキト争奪戦の勝利者は、当時、恋敵としてはまったく意識していなかったルリだった
ユリカ相手なら、複雑な心境もしていたのだろうが、ルリが相手なら今になって冷静になってみると、むしろ、『好奇心』の方が持ちあがってくる
そこで、『好奇心+今後の参考』の為にメグミは
敗因
「本当なら、メグミさん簡単に勝てた筈です」
「えっ」
ユリカとのアキト争奪戦は、随分と苦労したのにルリに意外な事を言われて驚くメグミ
「簡単に勝てたって、随分苦労したのに?」
「ええ、メグミさん、アキトさんとキスまでしてます、あの時アキトさんの気持ちは間違い無くメグミさんの方に向いてました、でも」
「でも?」
「メグミさんのその後の行動が不味過ぎたんです、ユリカさんと同じ土俵で戦ってしまった」
「うっ(汗)」
「アキトさん、自分の事をいきなり王子様扱いしたり、アキトは私が好きと勝手に言い張るユリカさんに反発してました・・・反発はしていても嫌ってまではいなかった所がアキトさんらしいですけど」
「でも、そのアキトさんですら、ユリカさんもメグミさんもリョーコさんも嫌いになりそうになった事なら有るって言ってましたけど」
「あ、あはは(汗)」
当時の事を思い出し乾いた笑いしか出来ないメグミ
確かに、当時の自分のやっていた事を振りかえってみると不味い事が多すぎる
「メグミさんとキスした時だって、生真面目な所の有るアキトさんは、「自分は本当にメグミさんの事が好きなのか」、「ユリカさんへの反発から、メグミさんにあんな事をしてしまったんじゃ?」って悩んでいたんです」
「そこで、メグミさんが余裕を見せれば、簡単に勝負はついてたかもしれない、「俺はやっぱり、メグミさんが好きなんだ」って」
「でも、メグミさんがやってしまった事は、ユリカさん以上に「押し」での勝負」
「なんだか、ユリカが二人になったようだった・・・・こんな事言ってましたから、それでアキトさんは『どっちも選べなく』なってしまったんです」
黙って聞いているメグミ、今になってみれば思い当たる事ばかり
「それにメグミさん、アキトさんの事以上に、ユリカさんに対して意地になってませんでした?」
「確かに、なってたかも・・・でも、なんでルリちゃんその時に言ってくれなかったの?」
「私は、当時、艦長達のやってる事に全然興味が無かったですから、ただ、興味が無いからかえって客観的にモノをみてました」
「・・・今は、「テンカワ・ルリ」だよね」
からかうような口調でメグミ
「はい」
さらりと答えるルリ、メグミはそれが少し悔しい
「私がアキトさんの事好きになったのは・・・正直な所何時だったのか私にも解りません」
「ナデシコを降りて、アキトさんと一緒に暮らし始めた時も、まだ、「お兄さん」だったような気もしますし、その時にはもう好きだったかもしれない」
「ただ、はっきりとアキトさんの事が好きだと気がついた時・・・ここからは、一寸言い難いんですけど、いいですか?」
「・・・言って欲しいな・・・」
「はい、では、私がはっきりとアキトさんの事が好きだと気がついた時、思った事は、「ユリカさんやメグミさんを反面教師にしよう」でした」
「ユリカさんもメグミさんも、嫌われてはいなかったかもしれない、けれど、アキトさんに選んで貰えなかった・・私はそれじゃ嫌だったんです」
昔の事を思い出しているメグミ
「だからどうすれば、アキトさんが私の事を好きになってくれるか・・・ずっと悩んでいました」
「それで、どうしたの?」
「しばらくは、なにも出来ませんでした、でも、ある人に言われたんです、『想いは伝えないと伝わらない』って、今のままじゃ妹のままだって」
「そこで告白を?」
「ええ・・と言いたい所なんですけど・・・そんなに簡単に告白出来るぐらいなら、苦労はしません、メグミさん達を反面教師にしようって思っていながら、はっきりと自分の気持ちを言えるメグミさん達がどれほど羨ましかった事か」
「でも、私達はアキトさんに選んでもらえなかった」
「それが、余計に私を悩ませました・・・皮肉ですけど・・・・それが、アキトさんにはかえって好感を持たれたみたいです(苦笑)」
「無欲の勝利だったのかな、ルリちゃんは」
「いえ、欲はありました、ただ、欲を表に出さないようにしただけです」
「それと・・あの(赤)」
「どうしたの?」
「私、アキトさんに告白されるよりキスされた方が先だったんです(赤)」
「あっ、私と一緒だ(笑)」
「ええ、そういう所は成長してませんね、アキトさんは(笑)」
「それにキスされた後、アキトさん、「ごめんなさい」って平謝りしてました、私は嬉しかったのに」
「あっ、もしかしてルリちゃんその後怒ったりしなかった?」
にやにやとしながらのメグミ
「・・・なんで解ったんです?(赤)」
「それも、『キスされた』事じゃなくて、『あやまられた』事にでしょ?」
「・・・・そうです(赤)」
「でも、アキトさんは「ルリちゃんにキスした」事が不味かったんだと思って、うろたえていたりして」
「・・・・・・・・・・・なんで、そこまで解るんですか?(汗っ)」
「自分の恋愛は解らないけど、他人の恋愛はよく見える・・・ルリちゃんだってそうだったんでしょ」
にやにやとしながら攻め込んでくる
何時のまにやら、立場が逆転しているメグミとルリ
今のメグミには、「他人の恋愛を見ている客観性+過去の自分の経験」がある
こうなってくると、ルリは不利に
「とっ、ともかくメグミさんが参考にしたいって言うから、私の話をしたんです、もう、十分参考になったはずです(赤)」
このままでは、不味い事になると感じて、話を打ち切ろうとするルリ
だが、メグミとしては、これからが本当に聞きたい所
もはや、『参考にしよう』、なんて気持ちはほんのわずかで『好奇心』がほとんど(笑)
他人の恋愛話程面白いものは無い上に、メグミの中のルリのイメージ
常に、冷静なイメージのあったルリが真っ赤になっているのだ
意地悪の一つもしたくなるのが人情というものだろう、うん(にやり)
その後アキトとの事を根掘り葉掘り聞かれ、疲れ果てたルリの一言
「メグミさんは、やっぱり意地悪な人でした・・・・・」
後書き
ルリいぢめって楽しいかも(にやり)
ちなみに、この後メグミがルリの話を参考にして、意中の相手と結ばれたかどうかはわかりませんよ
やっぱ、「自分の恋愛」と「他人の恋愛」は別なんで
このまま次の短編に進んで見る
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