回想
アレは、アキトさんにオモイカネを助けてもらった直後ぐらいでしたっけ
アキト「お礼?」
ルリ「はい、オモイカネを助けてくれたお礼をしたいんですけど」
アキト「そんな事、気のしなくても良いのに」
ルリ「でも、それでは私の気がすみません」
アキト「でも、お礼って言われても・・・」
ルリ「なんでも、言ってください、私に出来る事なら何でもしますから」
アキト「う〜ん、お礼ねえ・・・・・そうだ!!」
ルリ「なんです?」
アキト「ルリちゃんが、ちゃんと食堂で食事をとってくれるって言うのはどうかな?」
ルリ「えっ、・・・あのそれってお礼になるんですか?」
怪訝そうな表情をするルリ
アキト「十分にお礼になるよ、ルリちゃん何時もジャンクフードで食事を済ませてるみたいだから心配してたんだ」
ルリ「心配?、私を?、」
アキト「俺だけじゃないよ、ホウメイさんも食堂の皆もね」
ルリ「栄養のバランスの事なら心配してくれなくても・・・」
少し悲しげな表情をするアキト
アキト「そうじゃないんだ、ルリちゃん食事って愉しい?」
ルリ「栄養がバランス良く補給出来れば十分だと思いますが」
アキトは更に悲しそうな表情になってしまう
アキト「だからね、1週間で良いから食堂で食事を採ってみて欲しいんだ」
ルリ「はあ、テンカワさんがそれで良いって言うのならそうしますが」
ルリ「でも、1週間だけですよ」
アキト「うん、ありがとうルリちゃん」
考えてみれば・・・・
あの時アキトさんに騙されましたね、
1週間だけの筈だったのに・・・・
気が付けば、食堂に行くのが楽しくなってましたから
『騙された』等といいつつ、妙に機嫌の良いルリ
あの後、楽しそうに料理をするアキトさんを見ている内に、料理に興味を持つようになって・・
アキト「料理を教えて欲しい?」
ルリ「はい」
アキト「でも、俺なんかより料理の上手い人は沢山いるけど、本当に俺なんかで良いの?」
ルリ「テンカワさんじゃないと、駄目なんです」
考えてみたら、2度目の台詞でした(苦笑)
なんで、『テンカワさんじゃないと、駄目』なのかは、その時には良く解りませんでしたけど、本気でそう思いましたっけ
アキト「じゃあ、食堂へ行こうか、あそこなら材料も道具も揃ってるし」
ルリ「はい」
アキト「ルリちゃんって、料理はした事あるの?」
ルリ「いえ・・・・・・・した事無いです(赤)」
あの時は、妙に恥ずかしかった、料理をした事が無いから料理を教わるって言うのに
アキト「ルリちゃんぐらいの年だと、した事なくてもおかしくは無いから、そんなに恥ずかしがる事ないよ、でも、料理は早めに覚えて置いても、損はないからね、ユリカみたいになったら大変だし」
ルリ「いえ、流石にあそこまで酷くは無い・・・・・・と思います、やった事有りませんけど(赤)」アキト「じゃあ、ルリちゃんがユリカみたいにならない為にも、料理の練習をしようか」
ルリ「はい」
考えてみれば、随分失礼な事言われたような、流石にあの料理の再現は無理です(苦笑)
アキト「じゃあ、味見してみようか」ルリ「はい」
小皿に料理をとり、味見をするルリ
ルリ「少し、塩見が足りない気がします」
アキト「んっ、どれ」
ルリの持っていた小皿をとり、その小皿で味見をするアキト
ルリ「あっ、テンカワさんそれ(赤)」
アキト「どうしたの?ルリちゃん」
ルリ(私の口をつけた小皿で・・・・これじゃ間接・・・(真っ赤))
ルリ「あの・・・・・何でもないです(真っ赤)」
アキト「じゃもう少し塩を入れて、もう一回味見してみようか」
アキトは持っていた小皿をルリに返す
ルリ(この小皿・・・・・・いまテンカワさんの・・・(赤))
アキト「・・・・・?どうしたの、熱でもあるの?顔真っ赤だけど」
目線の高さまで、身体をかがめルリを正面から見つめるアキト
ルリは、アキトの顔を正面から至近距離で見つめる事になり、益々真っ赤になってしまう
ルリ「なっ、なんでも有りませんっ(真っ赤)」
アキトさん、ああ言う所凄く鈍い人でしたね
あの時は、私の事子供としか思ってなかったんでしょうけど
でも・・・・
私の事引きとってくれて・・
最初は、『妹』としか見てくれてなかったけど・・・
アキト「ルリちゃん、話が有るんだ・・・・・」
ルリ「どうしたんです、改まって?」
アキト「俺・・・・あの・・・・」
ルリ「・・・?」
アキト「ルリちゃんの事・・・・・・・・・妹として・・・・見れなくなった・・・・」
ルリ「それって・・・・・」
アキト「・・・・」
ルリ「・・・・・・そうですか、じゃあ・・・・もう、ここには居られませんね・・・」
アキト「えっ」
ルリ「仕方がありません、私みたいな無愛想な子を引きとってくれたんだから・・・・愛想尽かされても仕方が無いです・・・・・・今までありがとうございました(涙)」
アキト「ちっ、違うよルリちゃん、そうじゃなくて(汗っ)」
ルリ「だってアキトさん、私の事妹みたいに思ってたから引きとってくれたんでしょ、『妹』じゃ無くなるって事は(涙)」
アキト「ちっ、違うよ、俺はルリちゃんの事・・・『妹』じゃ無くて、『女の子』として好きに・・・」
ルリ「えっ(赤)」
ルリ「だって、私・・・・生意気だし、無愛想だし・・・そんな(赤)」
アキト「ルリちゃん、自分が凄く綺麗に微笑むようになったの気が付いてる?」
ルリ「・・・・・・私が微笑む?」
アキト「それに、俺の屋台の手伝いを一生懸命してくれて・・・・そんな姿を見ていたら俺・・・何時の間にかルリちゃんの事を・・」
ルリ「だって(赤)」
あの後の事、良く覚えて無い・・・・・
ともかく、私がアキトさんに「私もアキトさんの事が好きです」って事を伝えた事だけは確かなんだけど・・・
・・・・勿体無かったかも、・・・
そんな大事な事を覚えていないなんて・・
でも、なんで私あんな勘違いしたんだろ?
アキトさんは、所詮私の事を妹としてしか見てくれないって思いこんでいたからかな・・
アキトさんの馬鹿・・・って
馬鹿は私の方でしたけど(苦笑)
隣に寝ているアキトの寝顔を見つめながら、
テンカワ・ルリの有る日の回想・・・・
後書き
この話は初出じゃなくて、大塚りゅういちの隠れ家の企画
明日のNO、1は君だ、一番星キャラクタートーナメント(2002/4月28〜5月5日)
の特設支援用小説掲示板に 書いた物です
回想アキト視点に進んでみる
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