回想

アキト視点


何時からだったかな、ルリちゃんが妹じゃなくなったのは・・・・

最初にナデシコで出合った時は、人形みたいな無表情な子で、口癖は「ばかばっか」

俺も結構酷い事言われたっけ(苦笑)

でも、不思議と怒りは感じなかった

自覚が有ったからかな、自分が馬鹿な事してるなって

ユリカも、メグミちゃんも、リョーコちゃんも

泣かせる事が嫌で、何時までも態度をはっきりさせる事が出来なかった

解かってはいたんだ・・・・

中途半端なのは、一番残酷な事だって

・・・・理屈では

彼女達の事、怒った事もあったけど、嫌いじゃなかった

でも、嫌いじゃなかったけど・・・・何か違っていたんだ

ルリちゃんに対する気持ちとは

 

・・・・・「今」のだぞ、「今」の、けっして出会ったばかりの11歳のルリちゃんへの気持ちじゃなくて(汗)

 

オモイカネを助けた時、ルリちゃんもこんな表情が出来るんだって思って、こっちの方が照れたっけ


・・・・・・いくらなんでもあの時って事はないよな(汗)
・・・・・・確かにあの時のルリちゃんは可愛かったけど、それは恋愛感情とは別で・・(汗っ)
・・・・・・多分


その後、料理を教えて欲しいって・・・・・
あっ
俺あの時、ルリちゃんが口をつけた小皿でそのまま・・・・(赤)
既に夫婦となっているのに何故か今更恥ずかしくなってしまうアキト

・・・・

でも、あの時の真っ赤になっているルリちゃん、可愛かったな(赤)
つい思い出して浸ってしまうアキト

はっ


ちっ、違う、俺は別に(汗っ)
昔の事を思い出せば出す程、ある疑問が涌きあがってくる

 

・・・・・・・・・・俺、もしかしてルリちゃんの事11歳の時にもう無意識の内に(汗)

 

いっ、いかんっ、こんな事絶対ルリちゃんに知られてちゃいかんっ、もしロリコン扱いされて嫌われたらどうするっ(汗っ)
俺がルリちゃんの事好きになったのは、ルリちゃんを引きとってそれなりに成長した後なんだっ(汗)
その前はあくまで「妹」なんだっ(汗)

等とルリの寝顔を眺めながら自分に言い聞かせているアキト

 

とっ、ともかく・・・・(汗)

ミナトさんに呼び出されて言われたっけ

「アキト君は、ルリルリの事どう思っているの?」

「何時までもハッキリしない男をずっと好きで居てくれるほど女は甘くないわよ」

それでも俺悩んでいたけど

「一寸、ルリルリが他の男のモノになる所を想像してみなさい」

これが決定打だった

はっきりいって、想像するのも嫌だった

不思議だよな、ルリちゃんさえ幸せになるなら、誰でも良い筈なのに

俺以外の男と一緒になって、幸せそうに笑ってるルリちゃんを想像するだけで、どれだけ心が痛んだ事か・・・・・

「それがアキト君の素直な気持ち、解ったでしょ」

あれが、俺が自分の気持ちをはっきりと自覚した時だった

 

その後ルリちゃんも俺の事で色々とミナトさんに相談してる事を聞かされて

あの時のミナトさん、悪魔にも天使にも見えた

・・・・・・・いまだにどっちなのか解らないな、ミナトさんは(苦笑)

 

 

それで、思い切ってルリちゃんに告白したら・・・

まさか、ルリちゃんがここを出て行こうとするなんて思わなかった

本気で焦ったよなあ、あの時は

ともかく必死に自分の想いを伝えて

 

「私もアキトさんの事が好きです、お兄さんじゃなくて、一人の男の人として」

って言ってもらって、ああ、「お兄さん」じゃなくなったんだって思ったら

・・・・・・・・・・・・・・

急に恥ずかしくなって、ず〜〜〜〜〜と、お互いに照れくさくて黙ってたんだっけ、お互いに俯いて目もあわせないで(苦笑)

つくづく思うよなあ、俺って馬鹿だって

折角、お互いの気持ちを確かめて、『お兄さん』から『恋人』になった後でも、ルリちゃんの想いに答えきる事が出来なくて、悲しませた事がどれだけあったか・・・・

だから・・悲しませた事もあるし、これからも悲しませる事もあるかもしれないけど

ルリちゃんを幸せにしてあげないと

ルリの寝顔を眺めながら、改めて決意するアキト

 

そして

 

何時の間にか目を覚ましていたルリはこっそりと内心で呟いていた

 

・・・・悲しんだ事も有ったけど、今は幸せですよアキトさん・・・・

 


後書き

(注)この話は、2003年  4/28〜5/5の一番星トーナメントの小説掲示板の「回想(アキト視点)」に加筆修正を加えたものです

 




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