記憶に残る最初の誕生日は。
「おめでとう、ルリ。
今日から3才だね。」
という『チチ』。
「おめでとう、ルリ。
今日からあなたは3才になったのよ。」
という『ハハ』
そして。
「バンサーイ、バンザーイ。」
2人の万歳。
今にして思えば、なんてくだらない記憶だろうか?
誕生日という物がくすぐったいと思ったのは13才の時が初めてだった。
11才までは誕生日に何の感慨もなかった。
12才の誕生日は、何もなかった。
ナデシコはその時、2月から10月までの8ヶ月間、ボソンジャンプをしていたから。
だから13才の誕生日が、私のはじめての誕生日。
あの時はナデシコを降りて、みんなでサセボの長屋にいた。
ユリカさんいきなり、
「ルリちゃん、そういえばもうすぐ誕生日だね♪」
みんなの前でそう言ったので、大騒ぎになった。
多分あれほどの騒ぎは『一番星コンテスト』以来だったかも。
『ゲキガン祭り』も大騒ぎだったけど、私は参加しなかったし。
なんでこんな騒ぎになっているのか解らない私に、みんないろんなプレゼントをくれた。
その時アキトさんとユリカさんがくれた髪留めは今でも愛用している。
誕生日がくすぐったくて、そして嬉しい物だとはじめて私は知った。
14才の誕生日は覚えていない。
思い出したくない。
あの時私は、アキトさんとユリカさんが居なくなったことで、全てが色あせていたから。
15才の誕生日。
ミナトさんが作ってくれたケーキが美味しかった。
ユキナさんが買ってくれた鏡も嬉しかった。
でも、私はまだ立ち直っていなかった。
そういえばその頃サブロウタさんと知り合った。
16才の誕生日。
私はナデシコBで16才になった。
クルーのみんながお祝いしてくれた。
ハーリー君、真っ赤になって香水をくれた。
多分、サブロウタさんに相談して選んでくれたんだろう。
サブロウタさんはブランド物のハンカチを。
元木連軍人さんなのに、そつがない。
気が付くとハーリー君が酔っぱらって真っ赤になってひっくり返っていた。
サブロウタさんがジュースにお酒を混ぜたらしい。
13才の時以来の、楽しい誕生日だった。
そして17才の誕生日。
今、ユリカさんがそばにいる。
かつてのナデシコの仲間達も来てくれた。
ナデシコBの、私の仲間達もお祝いに来てくれた。
でも。
アキトさん、あなたはどこにいますか?
私たちは待っています。
あまり帰りが遅いと探しに行きますよ?
その時。
ピンポーン
チャイムが鳴った。
「はい。どなた・・・・・・」
驚く私。
そう、ドアの向こうには・・・・・・
END
<あとがき>
そういえば今日はルリの誕生日だな〜と。
物語としてはもの凄くありがちな内容ですが、書いてみたかったんです(笑)
ちょっと余韻を残して、人によっては消化不良と感じられるだろう終わり方をしていますが、こんな感じで書いてみたかったんです(笑)
書きたいから書く、SSの原点ですね(笑)
b83yrの感想
ありがちな作品をあえて書いてみたくなる時や、読んでみたくなる時もありますよねえ(笑)
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