ガラスの中の、変わらない日々。
私は、既に諦めていた。

 

 

・・・・・・あの人に会うまでは。

 

 

短編読み切り

『小さな恋の物語』

 

 

 

毎日が灰色で苦痛だった。
研究者達の実験で味わう苦痛。
ナノマシンの調整というけど、その実は私たちをモルモットにした人体実験。
私の他にも、ガラスに閉じこめられた人たちがもがき苦しんでいた。

私たちの顔はみんな同じ。
もう、自分たちには何の希望もない。
このままモルモットとして、苦しいだけの生を送るんだろう。

そう思っていた。

 

 

 

あの人が来るまでは。

 

 

 

あの人は、突然に現れた。
そして、私たちを苦しめていた研究者達を倒し。
私を牢獄から救い出してくれた。

 

それから私は、その人と一緒に生きることにした。

 

 

 

 

その人の格好は、普通の人とは違う。
長いマントなんて、普通は身につけない。
その人は、裏の世界に身を置いていた。
険しい顔には、この世の不幸を一身に背負ったような悲しさがあった。

 

 

それでも、私には笑いかけてくれた。

不器用だけど、優しく暖かい微笑みで。

 

 

私は気が付いたらその人が好きだった。

私はその人の目となり

耳となり

手となり

足となり

そうやって、今度は私がその人を守りたいと思った。

 

 

その人は過去に辛いことがあったらしい。
何も話してくれないけど、だから私のことは最初女として見てくれなかった。

 

 

それでも私は彼を愛し。

 

彼も私を愛してくれるようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・ラピス。」

 

 

 

 

 

 

「北辰様・・・・・・」

 

 

 

 

 

舌なめずりをして愛しそうに私を見つめてくれる北辰様。

 

 

私は、幸せだった。

 

 


<あとがき>

SSではラピスに相手にされない事の多い北辰ですが。

皆さん、よく考えてください。

 

 

ラピスって、ネルガルかどこかの研究所のモルモットなんですよ。
はっきり言って、人道的な扱いを受けていたとは思えない。
研究者達を憎み、それでも何も出来ず、絶望していたんだとしてもおかしくない。

そこに現れ、憎い研究者達を皆殺しにした北辰。

 

 

もしかしたら、ラピスには北辰が『白馬に乗った王子』に見えたかも(爆)

 

 

そう考えていったら、たとえば劇ナデってつじつまが合うんですよ(本当か?)

・ラピスの身体を心配し、定期的に研究所で健康診断させていた北辰。
・たまたまアキトがそこを襲い、ラピスを『救出』する。
・助けたラピスは、しかし「私を北辰様の所へ帰して!!」
・よりによって、あの北辰を想う少女という現実に、エリナ達は催眠療法を決める。
・社会復帰は無理だし、催眠療法(男性価値観の変更)の効果を上げる意味もあって、ラピスはアキトとリンクさせられる。
・アキトも、北辰に惚れている少女の将来が心配で、それを了承。
・しかし、重度の催眠治療のため、ラピスは感情が乏しくなった。

ほら、あのアキトがラピスを利用するということが、こんなに見事に説明できます!(笑)

さらに、
・劇ナデで「ラピス」と呟いて舌なめずりをする北辰は、それが愛情表現だった。
・北辰の回想でラピス強奪のシーンが出てきたのは、それが2人の大切な出会いだったから。
・恋人をさらわれた北辰は、当然さらった犯人であるテンカワにこだわる。だから、罠を察知?しても墓地まで出かけた。

ついでに、
・北辰を倒し、本懐を遂げたアキトが皆の元に帰らなかったのは、北辰の死を見てショックで催眠が解けたラピスが半狂乱になったため、急いで治療に向かわないといけなかったから

ああ、なんて見事に全てが説明できるんでしょう!!(爆)

皆さん、時代はラピス×北辰です!


b83yrの感想

やりたかさん、神(ピンクの破壊神)をも恐れぬ所業を(汗)
しかし、もし本当にラピスと北辰が相思相愛だったとしても・・・
やめとけ、いや、マジで(汗)
と言いたくなるカップルはあるものだなあと(苦笑)


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