マキビ・ハリ中尉の証言
「本当にあっという間だったんです。凄い勢いで車が走ってきてルリさん、いえホシノ中佐の隣で止まり
中から出てきた男が、ホシノ中佐を車の中に連れこんであっという間に走り去ったんです」
「え、人数ですか?ホシノ少佐を車の中に引き込んだ人以外に運転していた奴の二人だったとおもいます。
早く・・・はやくホシノ中佐を助け出しましょうよ!もし艦長に何かあったら僕は・・・・う・・う・・・わぁぁぁぁぁぁん」
タカスギ・サブロウタ少佐の証言
「はい、自分とマキビ中尉が飲み物を選んでいる時に・・・・本当に突然でした。自分は自販機と向き合っていたのですが
突然後方で急ブレーキの音が聞こえ、振り返った時にはホシノ中佐はほぼ車に引き込まれていました。」
「車に乗っていた人数ですか?はい、運転席と後部座席に一人の二人だったと記憶しております
恥ずかしながら、車のナンバーを覚える暇もなく、調査に役立つ手がかりらしき物もなにも・・・・」
『火星の後継者』事件より約一年・・・電子の妖精『ホシノルリ』が、誘拐されると言ったニュースが世界中、太陽圏中に流れた。
ある者は火星の後継者残党の仕業と噂し、またある者は電子の妖精の能力とカリスマ性を恐れた軍部の陰謀だと噂した
連合宇宙軍総司令であるミスマルコウイチロウは、滝のような涙を流し部下に捜索を命じ
ここぞとばかりに火星の後継者事件から民衆の支持と威厳を失っていた統合軍も、調査の協力を自ら申し出た
アイドル的人気のある電子の妖精を救出する事が出来れば、地に落ちた統合軍の名もまた認められるというものである
また、クリムゾングループも自らの思惑から独自に調査を始め、
落ち目一転業績ウナギ登りのネルガルもまたシークレットサービスを動かしホシノルリの行方を追っていた
かくして宇宙軍と統合軍(地球連合統合平和維持軍)の異例の合同捜査と言う体勢でのぞみ、
世界的大企業の二社がホシノルリの確保のため動いているのだが、
誘拐事件から一ヶ月たった今でも犯人の目星どころか、全く手がかりがないといった状況であった。
人々の心の中に段々と不安がつのる・・・二度と妖精は自分達の前に現れないのではないかと・・・・
機動戦艦ナデシコ
〜宇宙と夢と妖精と〜
「今日は何日?今は夜?それとも朝?」
灯りのない部屋、ベットの上で目覚めた少女が金色の瞳を窓に向け呟く
窓の外には一面無数の星が輝いている、夜だから・・・・と言う訳ではない
壁についている窓から一面に星が見えるということ、つまりここは宇宙と言う事だ
「ん・・・」
軽く寝返りをうつ長い瑠璃色の髪と、琥珀色の瞳を持つ少女・・・一ヶ月前に誘拐された電子の妖精ことホシノルリであった
ルリは身に何も纏っていないため、真新しいシーツの感触が直に感じられる。
だがそれはいつもの事だった、どんなに激しいコトの後でも、
目覚めると必ず乱れのない真新しいシーツがひかれたベットで目を覚ます。
自分は夢を見ていたのではないかと、目覚めるたびにそう思った。
だが一眠りした後であっても体中に残る快楽の余韻が、全て現実の事だと告げている。
終わり無く抱かれ続け気を失い、意識を取り戻せばまた直ぐに抱かれる・・・
この様な状態ゆえ完全に日や昼夜の感間隔が狂ってしまった。
日々続く責め・・・・そして心のどこかにその行為を望む自分が居る事も事実として既に受け入れている
それどころか、最近では自ら行為を望む時があるほどに堕ちていた
もう逃げると言う考えも、帰りたいと思うことなくなってしまった。ただ、この日々を受け入れるだけ・・・・
先ほどまで繰り返されていた行為を思い出すだけで、体の奥があつくなる
一ヶ月前までは汚れていなかったルリの体は、すっかりと開発され調教されていた
「みんな元気にしているでしょうか・・・・」
(特にハーリー君やサブロウタさんは、目の前で私がさらわれてしまった事に対して落ち込んでいないといいのですけど
サブロウタさんああ見えて責任感ありますから・・・・・)
久しぶりにサブロウタやハーリー、ナデシコの仲間の事を思い出したルリは不意に『最初』の時の事を思い出してしまった。
なにも誘拐されて直ぐに、こんな生活が始まった訳ではない。最初は部屋に監禁されているだけだった。
この部屋にはトイレもバスユニットも付いていて衛生的にも問題はない。着替えも毎朝運ばれてくる
だが、出来る事といったら日に三回運ばれてくる食事を食べ、後は窓から無限に続く宇宙を見つづける事ぐらいであった
いつも考えていた、心配しているであろう皆の事を・・・・だから・・・
「いい加減、私を解放してください!」
この部屋に連れてこられて一週間が過ぎた時、ルリは食事を運んできた男を睨みつけながら、声を張り上げる
「ダメだ」
男は冷たく言い放つ、ルリは男の反応を見て一息ついてから静かに話し始めた
「では勝手に出て行きます。それぐらい出来ないと思っているんですか?」
ドアにかかっているのは電子ロック、ルリにとってはあって無いような物である
だが、ルリが言葉を言い終わったと同時に、男はゆっくりとルリに近づき、そのままルリをベットへと押し倒す
「な、なにを・・・・」
「行かせない、行かせはしない・・・・君はもう・・・・・俺のものだ」
そして今現在、ルリは毎日続く快楽に溺れこの部屋から出る事は出来なくなっている
<ルリの力は迫る男を跳ね除けるには非力すぎた>
<いきなりの事で気が動転していて抵抗らしい抵抗が出来なかった>
など、あの時の言い訳はいくらでも出来るだろう
・・・だがルリは解かっていた、この時既に自分は男を受け入れてしまっていたのだと
ルリがベットから起き上がると、テーブルの上に着替えが置かれているのを発見した
だが、この部屋は裸でいても肌寒く感じないほど、暖かめに空調が設定されている
「さて、どうしましょう・・・・・どうせ服を着ているのは食事の時ぐらいでしょうしシーツでも巻いておけば・・・・」
そう呟いた自分の言葉に、自分が変わってしまった事を再認識するルリ
昔なら悩むことなく服を着ただろう、だが今はどうだ、食後の後おこるであろう出来事を予測して
服を着るか着ないか悩んでいる。それはルリがその出来事を無意識のうちに望んでいる事を示していた
「もう・・・もどれそうにないですね」
結局シーツを体に巻き、ベットに腰を降ろして食事が運ばれてくるのを待つ
あの男がこの部屋にいない事が、食事の準備をしていると言う証拠だった
シューン
部屋の扉が開き男が入ってくる。予想どうりその手にはルリの分と男の分二人分の料理が持たれている
「服ぐらいきたらどう?」
男はルリの姿を見て苦笑しする
「ほんのちょっとしか着てなくても誰かさんは洗濯しますからね、洗濯のし過ぎは服の生地が痛むだけです」
男は二人分の料理をテーブルに置きながら、シーツ一枚のルリを少し恥ずかしそうに見る
「でも、食事の時ぐらいは服を着た方が・・・・」
「別に見られて恥ずかしがるような関係でもないでしょう、昼夜の区別がつかなくなる位、激しく抱いている訳ですから・・・・」
「あははは・・・・でも、今日イネスさんが来るっていってたから、服は着ておいたほうがいいよ」
男はルリの言葉に乾いた笑いしか出てこない、
「誘拐犯の片割れが久々のご登場ですか」
「まぁまぁ、ルリちゃんの健康診断に来てくれるんだから・・・ね」
「私の・・・ですか」
「まぁ、ずっと部屋の中にいるわけだし・・・たまに診て貰わないとね」
「・・・・心配性な所と、変に細かい所は変わってないですね」
「そんな所がアキトさんらしいですよ」
あとがき・・・・ごめんなさい(><)
ええ、わかってますって。電波なんですよ、たぶん!
本来13Kぐらいのサイズで前編中篇後編の三部作で
計40kぐらいの作品にしようと思ってたんですよ!
40Kは僕が短編を書く時の基準見ないな物です・・・・
ところが何故か完成したのは前編の前半と後編の後半を繋いだような
恐ろしく短い短編・・・・・ええ8割がた削ってますよ!!
イネスさんの登場(名前だけ)などが強引なのもそのせいです!
ほんと、ごめんなさい
原案
>前編<
突然誘拐されるルリ・・・
軍の捜査、およびネルガルの反応
>中編<
各組織の思惑
残された者達の思い
>後編<
ルリとんでもない性生活を送らされている事を書き
最後の最後で誘拐犯はアキトだったと読者にばらす
って予定だったわけです。
設定
(書かれる事の無い裏側)
>前編<
統合軍がルリの暗殺計画を立てていることを知ったアキトは
A級ジャンパーであるイネスに協力を依頼
ネルガルにも何も告げずルリをユーチャリスへと誘拐する
>中編<
暗殺計画実行前にルリが誘拐され焦る統合軍
当初ネルガルが匿ったのではないかと思われたが、ネルガルの反応や
宇宙軍の対応からその可能性は低いと思われる
>後編<
こともあろうに、
ルリに溺れるアキト
アキトに溺れるルリ
外界の思惑、動向関係なく激しくラブラブ
まぁ・・・こんな感じ・・・・
ほんとすみませんねぇ・・・・
b83yrの感想
b83yr的には、とってもOKです(笑)
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